大学入学共通テストを理解し、センター試験との違いを知ろう

2021年から大学受験が大きく変わり、大学入学共通テストが導入されます。ニュースなどで取り上げられてはいますが、具体的に何がどう変わるのか、ご存じでない方も多いのではないでしょうか。

そこで!今回はセンター試験と大学入学共通テストの違い、また変わることで何が求められるようになるのかをご紹介したいと思います。


大学入学共通テストで問われる能力

その1 思考力、判断力、表現力

大学入学共通テストでは「知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力を発揮して解くことが求められる問題を重視する」とされています。これまでのセンター試験でも思考力、判断力、表現力を活用して解く問題が出題されていなかったわけではありませんが、今まで以上にこれらの能力が問われるということです。

知識・技能をはかる問題がメインだったセンター試験とは違い、大学入学共通テストでは、文章・図・資料などの必要な情報を読み取る力や、読み取った情報から問題を解決する力が評価されるようになります。

さらには、新たな場面で実力を発揮できるかを問うため、教科書で扱われていない問題が出される可能性もあるそうです。


その2 平均得点率

これまでのセンター試験では7割が取れるように設定していましたが、大学入学共通テストでは平均得点率が5割になるよう作問されます。


その3 「リーディング」力と「リスニング」力

センター試験からの大きな変更点として挙げられるのが英語の変更です。センター試験では英語受検者には「筆記」「リスニング」が課されていましたが、「筆記」は「リーディング」に名称が改称されるとともに、配点が200点から100点に変更されます。

一方「リスニング」の配点は50点から100点に変更され、「リーディング」と同配点になります。「リーディング」では、様々なテクスト(文章や文献がひとまとまりとなっているもの)から概要や要点を把握する力や、必要とする情報を読み取る力などを問うことを狙いとし、センター試験で出題されていたような、発音、アクセント、語句整序などを単独で問う出題は無くなります。

「リスニング」では、読み上げられる音声の回数が問題により1回読みを含めたもの(センター試験は全て2回読みで実施)が出題されます。また、「リーディング」「リスニング」の配点比率は各大学・学部(学科)によって定められますので、HP等を確認してください。(例:中央大学文学部の場合…リーディング:リスニング=4:1)


その4 9段階の段階評価

大学へ提供される大学入学共通テストの成績は、各教科の得点のほか、新たに9段階の段階評価(スタナイン)が導入される予定です。この段階評価は、その科目の受検者の得点状況から算出されるため、得点と段階の関係は科目により異なります。

各科目の得点は、試験当日に公表される配点・解答をもとに自己採点をすることで大体わかりますが、それとは別物です。段階評価(スタナイン)は全受検生の成績が集計された後に確定するため、試験実施数日後の公表となる見込みです。

大学の用途としては、「出願資格を満たすのは、段階別評価が全科目5以上の者」といったような活用の仕方が考えられます。しかし導入当初は馴染みがないことから、この段階別評価が多くの大学入試に用いられる可能性は、今の時点では低いと言えます。



その5 高校の内申点

高校入試とは違い、これまで大学入試で【調査書】が評価対象になるのは推薦入試くらいでした。しかし文部科学省の「高大接続改革」の推進によって、一般入試でも調査書を評価する大学が出てきました。

つまり「文系だから文系科目だけ頑張ればいい」という考え方では通用しないということです。高校受験のときと同様、各教科の内申点を上げるための努力(定期テスト点数アップ、提出物の期日を守る、授業態度をよくするなど)も必要になります。



センター試験から大学入学共通テストに変わっても、必要なのは的確な受験対策です

今回は、2021年から導入される大学入学共通テストとセンター試験の違いについて簡単にご紹介しました。共通テストは当初予定していた記述式問題の導入が延期されるなど、まだまだ未確定の部分もありますよね。対策について不安に思われる方もいらっしゃるかと思いますので、共通テストに向けての勉強の進め方や志望大学選びなど、いつでも私たちにご相談ください。