高校受験 入学金支払い


「高校の入学費用って、いつ、どうやって払うの?」

「入学金が支払えない場合には、どうしたらいい?」

「入学費用の準備の仕方を教えてほしい!」


こんなお悩みはありませんか?


高校受験というと、お子さんの合否ももちろんですが、受験や入学にかかる費用に関しても不安になりますよね。特に、入学金に関しては、合格したら絶対に払わないといけないの?いつ払うの?いくらぐらい払うの?足りない場合はどうしたらいいの?と 心配な方も多いと思います。


そこで、今回の記事では高校受験の入学金支払いの方法や、準備の仕方、緊急時の対処法などをまとめてお伝えしていきます。


高校受験の入学金はいつまでに支払えばいいの?


高校受験の入学金はいつまでに支払えばいいのでしょうか?


実際には公立、国立、私立によって違います。

この項目では、どの時期にどれくらい支払うのかも含めて解説していきます。

ここからは入学金の支払い時期や支払う費用を、公立、国立、私立に分けてお伝えしていきます。



高校受験 入学金について



公立の場合


支払時期


まずは公立高校の入学金支払時期は、地域や都道府県によって様々ですが、合格発表後すぐに支払わなければならないところもあるので、前もって入学に必要な費用を用意しておく必要があるでしょう。



入学金等支払い時期について


【首都圏のホームページ】

東京都都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について
納付期限:合格発表の翌日から起算して5日以内(ただし、5日目が土曜日・日曜日・祝日に当たる場合はその翌日)
引用元:東京都教育委員会


神奈川県県立高校入学検定料・入学料
納付期限:入学許可日から7日以内。
引用元:神奈川県ホームページ

千葉県県立高校の入学料・授業料等
納付期限:お問い合わせ先
引用元:千葉県ホームページ

埼玉県埼玉県立高等学校の授業料・入学料等のあらまし
納付期限:県立高等学校に入学した月の末日まで
引用元:埼玉県ホームページ

茨城県県立高校の授業料について
引用元:茨城県教育委員会

群馬県教育委員会
引用元:群馬県ホームページ

栃木県県立高等学校の授業料等について
引用元:栃木県ホームページ


入学金


入学金というと高いイメージがあるご家庭も多いかと思いますが、公立高校の入学金は、5,650円(福岡県、佐賀県鳥取県、宮崎県は5,500円)に統一されています。

私立に比べると圧倒的に安く済みます。


国立の場合


支払時期


国立の場合、公立よりも入試が早いケースが多く、それに伴って入学金支払いも若干早いという特徴があります。


例えば、平成31年度入学の三重県の国立鈴鹿高等専門学校のスケジュールを見てみると、2月26日〜3月4日までと1週間の期限しかありませんでした。都内の国立高校の場合も、入学手続きが5日間というところもあり、非常にタイトな入学金支払いとなっているため、公立高校と同じくきちんとした入学費用の準備が必要になってきます。


入学費用


国立高校の入学金費用は学校の種別によって異なりますが、一律5万6,400円と決まっています。

ただ、先ほどお伝えした国立鈴鹿専門学校は一般的に「高専」と呼ばれる国立高校なので、入学金も少し割高になっている点には注意しましょう。


その他にも国立高校と高専では授業料などの違いもありますが、一般的に初年度納付金は14万円程度とされています。

その他の費用も公立高校と同様30万円ほど必要であると考え、早め早めに捻出できるようにしておきましょう。


私立の場合


支払時期


私立高校の場合は受験時期が1月後半あたりから2月前半あたりに集中する傾向にあるため、入学費用の支払いを「延納制度」を利用しない限り早く支払う必要があります



延納制度とは


入学手続きの際に、公立高校の合格発表まで、入学金や学費の納入の全部または一部を待ってくれる制度のことです。
通常、私立高校に合格した場合、入学金や学費の一部を期限までに納入しなければ、入学意志がなく辞退したものと見なされてしまいますが、この延納制度がある私立高校の場合、公立高校入試の結果を待ってから、入学金などを納めればよいのです。

延納制度パターン


この延納制度にはいくつかパターンがありますので、お子さんが受ける私立高校がどのパターンなのか確認しておくと良いでしょう。

※延納制度は学校単位、同学校内のコース単位できちんと確認しましょう。


単願や専願受験で合格した場合を除き、「延納制度」を使えば、公立高校の合格発表後まで入学金の支払いを待ってもらえます。

ただし、この制度は国が制定したものではなく、各私立高校独自の制度になるため募集要項をよく読み制度を使えるかどうかの確認から始めるようにしてください。


入学費用


私立高校の入学費用は令和元年度の平均で入学金だけで約16万円とされていて、高額になっています。公立高校や国立高校と比べるとかなり割高であるといえるでしょう。
わかりやすく比較するために、一覧表で確認してみましょう。

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公立と比較するとおよそ16万円程度の差になっていますね。

また私立高校の授業料や施設設備費などの他の費用は約40〜60万円程度が初年度に必要とされています。



高校受験は入学金支払いだけでなく、入学後の費用も計算しておくこと


入学金の支払い時期や金額についてお伝えしてきましたが、高校入学後の費用もきちんと確認していきましょう。


高校は義務教育ではないので、入学後に費用が準備できないと退学処分になってしまう恐れがあります。まずは初年度にかかる費用をきちんと見積もり、どれだけのお金を用意しておけばよいのか想定しておきましょう。


ここからは、初年度に払う費用を、公立、国立、私立に分けてお伝えしていきます。



高校受験 入学後費用について



公立の場合


公立高校の初年度の費用は、平均で37万円程度と言われています。文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」によると、「学校教育費」は30万円程度かかると言われているので、50万円を学校教育費として捻出しておくとお金の心配はいらないでしょう。

ただし、お子さんのお小遣いや遊ぶときの費用、塾代は加味されていないため1年間の高校生活を考えると60〜70万円程度を見積もっておいたほうが安心です。



文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」

引用元:文部科学省



国立の場合


国立高校初年度の費用はほとんど公立高校とは変わりません。

ただ鈴鹿高専のように特別な学校に行くと、学費等が変わるため十分に注意しておく必要があります。

平均的な費用が出されている統計がないため、鈴鹿高専を例に出すと入学初年度の納付金は約48万円となっています。

公立高校と比べるとおよそ10万円程度の差になっている点に注意が必要です。


私立の場合


私立高校の平均的な初年度の費用は授業料や入学金などを含むとだいたい70万〜80万円は確実に必要になってきます。

高校別に授業料や施設利用費は異なりますが、平均して100万円程度を用意しておくと余裕を持っておけるでしょう。


ただし、ここに通学費用や塾代は含まれていないため、その点を加味するともう少し余裕を持っておきたいところです。


高校三年間の総支払金額の目安


では、高校三年間では、どのくらいの差が公立と私立高校ではでてくるのかというと、次のとおりです。


  • 公立:約87万円(3年間の学校教育費)
  • 私立:約220万円(3年間の学校教育費)


公立と私立では2倍以上の差が出ています。ここに塾の費用などを加算すると、公立高校は100万円を超えますし私立高校の場合は300万円を超えるでしょう。


ただ、「高等学校等修学支援制度」を利用すれば授業料が無償化され費用の負担が軽減されるので、適用されるのか条件を調べてみることをおすすめします。


高校受験の入学金支払いが間に合わない場合にはどうする?


高校受験の入学金支払いが間に合わない場合にはどのような方法で費用を用意すればいいのでしょうか。

具体的な方法をお伝えすると、次のとおりです。


それぞれ解説していきます。


自治体の支援制度を利用する


まず確認するべきことは、自治体独自の支援制度がないかです。

たとえば、京都府では生活保護世帯や住民税非課税世帯には支援金を「給付する」制度があります。

入学金の支払いができないとなったときに、費用を借りることを意識しがちですが、給付金や支援金は返還の必要がないので、将来的な負担になることはありません。


社会福祉協議会を頼る


急な家計変動により入学金の支払いができないといった場合には社会福祉協議会から緊急で就学支度金を貸し付けてもらえます。

就学支度金とは文字通り、入学金や入学時に掛かる費用をさしていて、一律50万円までの貸付が実行されます。


日常生活に困ってはいない状態ではあるもののまとまった金額を用意できない場合に利用する制度であるため、日常生活にも困っている場合には近くの社会福祉協議会を頼って、他にも利用できる制度がないかを確認しましょう。

たとえば、次のような世帯状況の場合には頼るべきものも異なってきます。


  • 母子世帯:母子福祉資金
  • 配偶者のいない女性世帯:女性福祉資金
  • 高校や高等専門学校などの学費を必要とする世帯:育英資金


それぞれが無利子でも借りられる資金であるため、お住まいの地域の福祉協議会のホームページを確認してみてください。


日本政策金融公庫の貸付を頼る


高校の入学金が足りない場合には、国の教育ローンである教育一般貸付の利用を検討してみましょう。

申込みには世帯の所得要件が関わってくるため、十分に注意が必要です。

一般貸付の場合には次の所得要件を満たしている必要があります。


  • お子さん1人の場合:年収で790万円
  • お子さん2人の場合:年収で890万円
  • お子さん3人の場合:年収で990万円


上記の例はあくまで年収換算の場合になっているので、詳しくは日本政策金融公庫で相談してください。

なお、審査通過から20日前後で融資が実行されます。


高校に相談する


ここまでの手段を利用しようにも入学費用が賄えなかった場合には、高校へ期限前までに相談をするようにしてください。


というのも、高校側でも世帯状況によって入学費用の延納制度や免除制度を整えていることが多いからです。

基本的にお金を借りたり、給付金を受け取ったりする場合には時間が掛かるものなので、緊急性が高いほど高校への連絡を怠らないようにしましょう。


高校受験の入学金支払いの際に注意するポイント


高校受験の入学金支払いの際に注意するポイントは次のとおりです。


それぞれ解説していきます。


教育ローンなどは返済計画をきちんと立てる


教育ローンなどの金利が発生するもので入学金を支払う場合には返済計画をきちんと立てていきましょう。

仮に教育資金として入学費用も含めて300万円ほど借りた場合には、金利5%で最初の支払いには利息として1万円程度が徴収されます。

このようにローンと名の付く商品には返済と同時に利息を支払わなければならないため、元の資金よりも多くを返さなければならないという注意点が存在します。


金利が安いところは審査が長い点に注意する


金利が安いところから借り入れを行おうと考えると、基本的に審査が長いことに注意しなければなりません。

たとえば、銀行は審査に時間が掛かる一方で、フリーローンと呼ばれる金利が高いところは審査にほとんど時間が掛かりません。

そのため緊急で費用を借り入れようと考えるとフリーローンを想定しがちですが、金利が10%以上のところがほとんどなので返済時に苦労する可能性が高いです。


もちろん返済が可能な計画が立てられるのであれば問題はありませんが、時間を掛ければ金利を安くできたのにといったことも多いため、期間を長めに設定しておきましょう。


入学費用の準備は夏休みが終わった頃から準備する


入学費用の概算を出した段階で、支払ったら生活が困るといった状態に陥ることが予測できる場合には、夏休みが終わった頃から準備を進めていきましょう。

お子さんの志望する高校にもよりますが、私立高校に進学する場合には公立高校よりも高い入学費用が必要になります。


もちろん家庭の状況によって審査が通らないこともありますが、緊急でお金を借りなければならない状態に陥るよりは、貯蓄もある程度溜まっていると予測できるので困ることは少なくなるでしょう。


高校は入学費用だけでなく授業料等も掛かる


高校は入学費用だけでなく授業料等も掛かる点に注意してください。

先程もお伝えしたように、3年間の学校教育費を見ると次のようになっています。


  • 公立:約87万円(3年間の学校教育費)
  • 私立:約220万円(3年間の学校教育費)


もちろんこの中には施設利用料や修学旅行積み立て金なども含まれていますが、学校生活を送っていく上では定期代や塾代といった費用も必要になります。


それらの金額がどれくらいになるのかを簡単に見ていきましょう。


定期代


全国的な平均を見ると、定期代の支払い金額の平均はおよそ1年間で8万円となっています。

高校が3学期あると考えると、1学期あたりおよそ3万円弱の支払いになる点に注意しましょう。

現在高校無償化があるにせよ、授業料以外での負担も大きく定期代は負担をさらに重くしています。


塾代


続いては塾代です。

全国の高校生の塾代を確認したところ、およそ1年間で10万円代であることがわかっています。

ただし、この平均10万円という値を考えると、ほとんどの高校生が夏期講習や冬期講習を受けていない計算になりますが、そのようなことはありません。


高校生になり難関大学を目指すお子さんは、偏差値に比例して高額な塾に通わなければならないかもしれませんし、その他の参考書代などを考えると年間で30万円以上掛かる可能性もあります。

ですから、お子さんがどんな大学を目指すかによって塾代の増減が激しい点には注意しましょう


高校受験の入学金支払いは前もって準備が必要


今回の記事では高校受験の入学金支払いについて解説してきました。

高校合格後に支払う費用は入学金だけでなく、授業料や設備費なども含まれ、数十万円規模での出費を見込んでいかなれければなりません。
仮に大学進学を目指して塾にも通うとなると、一気に修学のための費用はかさむでしょう。

とはいえ、お子さんの幸せを望むのであれば教育にお金を掛けないわけにはいきません。


ですから、高校受験間際になって急いで費用を準備するのではなく、中学校3年間を通して少なくとも200〜300万円程度の貯蓄をしておくといいでしょう。

その他にも当サイトでは、高校受験の費用や受験に関する情報を発信しているので、ぜひ他の記事も見てみてください。

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