【高校受験】第一志望校に落ちた場合の対処法と気持ちの切り替え方

「第一志望校に落ちてしまった…。子どもがショックで立ち直らない…」

「こんな時、どんな声をかけてあげればいいの?」

「なんとか気持ちを切り替えさせるには、どうしたらいい?」


第一志望校への想いが強ければ強いほど、落ちたときのショックは大きいものです。

初めて【受験】という経験する子がほとんど。これまでの人生で最も大きな挫折と言えるかもしれません。しかし、ショックを受けたままでは、その他の試験や高校生活にも支障をきたしてしまうことも。


保護者の方もお子さん同様に不安でいっぱいだと思います。でも、決して悲観したり動揺を見せたりしてはいけません。しっかりとした態度で向き合うことが、お子さんに安心感を与え良い結果につながります。


この記事では、第一志望校に落ちてしまった時に保護者としてどんな対応をすべきなのかをお伝えします。志望校全てに落ちてしまった時の対処法も併せてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


高校受験で第一志望校に落ちた!そんな時、どうする?


中学生にもなれば、自我も芽生え始め自分で考えて行動することを認めてほしい時期です。

とは言え、まだまだ子どもなので、自分ひとりで立ち直れる子はほとんどいません。

だからこそ、保護者の方がこの現実と向き合い、お子さんに安心感を与え精神的に引っ張ってあげることが非常に重要です。そのために欠かせないのが「対話」です。


では具体的に「どんな話をしたら良いのか」についてご紹介します。


それぞれ詳しく解説します。


安心感を与える


安心感を与える


今のお子さんに最も重要なことは「安心感」です。

入試の最中であれば、ショックな状態が続けば、他の志望校の試験に影響が出てしまいかねません。

まずは、頑張ってきたことを認めてあげること。

まだ受験が控えている場合は「頑張ったけど、残念だったね。次はうまくいくといいね!」と次へつなげる言葉をかけてあげましょう。

第一志望校が最後の試験だった場合は「ここ数ヶ月夜遅くまでよく頑張ったね。お疲れさま。高校に合格できて嬉しいよ」とこれまでの頑張りを労い、進学する高校を肯定するような言葉をかけてあげましょう。


絶対にやってはいけないのは「だから、もっと勉強しなさいっていったでしょ!」「遊んでばかりいたからだ」と落ちたことに焦点を当てて原因を突き詰める言葉です。第一志望校に合格できず一番ショックなのはお子さんです。こうした言葉を言われると、自己肯定感はさらに下がり、親に対する反抗心が高まったり、高校進学への意欲が下がったりしてしまいます。


どこに進学するか、よりも何をするか


多くのことに興味を持ち経験することが重要


どこに進学するかが全てではありません。

どの高校に進学しても、自分のやりたいことや学びたいことができるからです。

高校では、いろんな科目を勉強したり専門的に深掘りしたりすることができます。友達や先生からたくさんの刺激を受けて、多くのことに興味を持ち「経験」することが重要です。

そうすることで、夢の実現の可能性が上がったり、今まで知らなかった世界が開け新しい夢に出会えたりするわけです。


高校生活を優等生としてスタートできる


自信に溢れた高校生活を送れるかもしれない


第一志望校をギリギリで合格できていたとしても、その後の高校生活で辛い想いをするかもしれません。合格者の中で学力レベルは下の方。入学した後によほどの努力をしなければ、高校3年間、成績下位の中で悩み続ける可能性があります。そうなれば、大学への推薦は厳しいでしょう。勉強の自信も失い、期待していた高校生活ではなくなるかもしれません。


反対に、他の学校に進学したらどうでしょうか?

合格者の中で学力レベルは上の方。優等生としてスタートできれば、「もっとできるようになりたい!」と必然的に勉強の意識が高まり、自信に溢れた高校生活を送れるかもしれません。その後の選択肢も大きく広げられます。


つまり、無理をして第一志望校に進学するよりも、その後の人生がうまくいく可能性は大いにあるんです。


高校受験で志望校すべてに落ちた場合は、どうすればいい?


「志望校ぜんぶ落ちちゃったら、中卒か浪人するしかないの???」と不安になるかもしれませんが、残された道もありますのでご安心ください。ですが、猶予がほとんどありません。公立高校の一般入試の合格発表から、出願受付まで数日しかない場合もあります。別の選択肢をすぐに検討することが重要です。


主な選択肢としては以下の2つが挙げられます。


それぞれひとつずつ確認していきましょう。


二次募集(分割後期募集)


公立の一般入試の合格発表の後でも、受験できる学校があるのをご存じですか?

それが、二次募集・分割後期募集です。



二次募集とは


一般入試において、合格者が定員に満たなかった高校(学科)が追加募集する制度です。名称は、“再募集” “後期選抜” “欠員募集”等地域によって違います。



分割後期募集とは


前期・後期の2回に分けて入試が実施される入試形式のことで、定員を前期と後期に分割し、2回に分けて募集します。(*1)

都立入試においては、第一次募集及び分割前期募集/第二次募集及び分割後期募集という名称で2回に別れたスケジュールで入試は実施されます。(*2)

京都府においては、前期・中期・後期の3回があり。前期・中期で定員に満たない学校(学科)では後期で追加募集します。


*1:出願日及び実施日についてはお住まいの自治体のホームページを参照ください。

*2:分割募集実施校は東京都教育委員会ホームページで参照ください。



令和5年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について
引用元:東京都教育委員会


令和4年度 都立高校 分割後期募集・全日制課程等第二次募集実施校
引用元:東京都教育委員会


令和5年度入学者選抜について
引用元:京都教育委員会

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限られた学校での実施となりますが、公立高校にどうしても行きたいという人にとってはチャンスです。名称や制度は自治体によって変わりますので、必ずホームページで確認しましょう。私立高校でも二次募集が行われている学校もありますので、教育情報のサイトや高校のホームページで確認してください。


選抜方法は学校(学科)により異なりますし、出願手続きを中学校長を経て行う地域もありますので保護者の方がしっかりと確認しましょう。また、定員割れしているからといっても、高校ごとに設定している基準は満たしていないと合格できませんので、油断することがないようにしましょう。


通信制高校


高校には、通信制・全日制・定時制の3つの教育課程があります。私立高校を併願せずに、公立高校1本に絞った受験を終えて、不合格だった、となった場合でも、通信制高校を検討する場合はまだ間に合います。



通信制高校とは


通信による教育を行うため、教室授業を中心とする全日制課程・定時制課程とは異なる。生徒が自宅等で個別に自学自習し、レポートやテストを郵送やパソコン通信で行うことによって卒業の際に高卒資格を取得できる。(*1) 
現状、設置形態が公立(狭域・広域)と私立(狭域・広域・株式会社含め)からなる。(*2)



*1:スクーリング(面接指導)が必要な学校と通学日ゼロの学校があります

*2:狭域:入学できる地域が学校のある県+隣接する1都道府県 基本的に公立校

広域:入学できる地域が3都道府県以上 基本的に私立校



高等学校通信教育の質の確保・向上

引用元:文部科学省ホームページ



では、通信制高校を選ぶ際の注意点を紹介していきます。


今から入学できる?


通信制高校は257校(令和2年5月1日現在)あり、年間入学者数は増加傾向にあります。

また、通信制高校は公立高校だけでなく、私立もあり大抵の場合、随時3月、4月に入学できます。


入学試験もありますが、全日制のような筆記試験ではなく、現況の学力や勉強への姿勢を見るためのテストです。ただし、定員オーバーや、面接などで著しく問題があると判断された場合は不合格となることもありますので真剣に臨んでください。


学校の選び方


学校選びの期間がかなり短くなってしまう点に注意してください。また、随時3月4月に入学可能と言っても学校により異なりますので、学校のホームページで必ず確認してください。


通信制高校は勉強以外の専門的知識と技術が学べるチャンスがある学校であり、先進的な取り組みも多いので時間が無いとは言え、入学前にきちんと学校情報を収集することが必要になります。

学校選びのステップとしては



学校選びの4ステップ

  • 通える範囲の通信制高校をリストにする
  • 資料を請求する
  • 興味がある分野を絞り込む(学校の特徴やコース)
  • 学校見学(または口コミサイトなどを参考に)


時間が無い中での選択になりますが、資料請求から学校見学までを1週間程度と考えて失敗しない学校選びをしましょう。


最後に、「通信制サポート校」は通信制高校とは違います。通信制高校は学校教育法という法律により「高等学校」と定められています。通信制サポート校は通信制高校の卒業に向けたサポートを行う学校です。

通信制高校を卒業すると高校卒業資格が得られますが、それ以外の方法では「高卒認定(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)」試験を受ける、という方法もあります。



高卒認定とは


文部科学省が実施する【正式名称:高等学校卒業程度認定試験】のことで、合格したら「高校卒業者と同程度の学力がある」と認める。

この試験に合格すると、大学・専門学校・公務員試験・国家試験棟を受験することができる。

※満16歳以上になる人が受験可能。



高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)

引用元:文部科学省ホームページ



第一志望校がすべてではない、という考えを


高校受験で第一志望校に落ちてしまうことはありえることです。

重く捉えず、この先どんな高校生活を送れば充実できるかを考えるようにしましょう。

お子さんを立ち直らすには、保護者の方の「対話」が非常に重要です。
決して否定的にならず、肯定的に話すことがポイントです。

今回の記事が、お子さんや保護者の方の心の負担が少しでもなくなり、高校生活が楽しみになれば嬉しいです。

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