中学生の数学を基礎からやり直す方法|どこまで戻る?学年・単元別に解説

「中学生だけど、数学が全然わからない」
「基礎からやり直したいけれど、どこまで戻ればいい?」
「中3なのに中1から復習していて間に合うの?」

数学が苦手になってくると、今学校で習っている問題を何度解いても理解できず、

「もう全部わからない」

と感じてしまうことがあります。

保護者の方も、

「小学校の算数まで戻った方がいい?」
「中1から全部やり直すしかない?」
「受験まで時間がないのに間に合う?」

と不安になるかもしれません。

先に結論をお伝えすると、数学を基礎からやり直すときに、中1の最初からすべて勉強し直す必要はありません。

大切なのは、

  1. 今どの問題で止まっているか確認する
  2. その問題を解くために必要な前の単元を確認する
  3. 最初にできなくなるところまで戻る
  4. 基本問題を解けるようにする
  5. 少しずつ今学校で習っている内容につなげる

という順番です。

たとえば中2の「一次関数」がわからない場合、一次関数だけを繰り返しても理解できないことがあります。

原因を調べると、

「比例・反比例がわからない」
「座標がわからない」
「一次方程式が解けない」

ところで止まっていることもあります。

さらに一次方程式が解けない原因が、

「文字式」
「正負の数」
「分数の計算」

にある場合もあります。

数学は、このように前に習った内容を使いながら次の内容へ進む教科です。

だからこそ、

「今わからない単元」ではなく、「最初にわからなくなったところ」を見つけること

が、数学を基礎からやり直す第一歩です。

この記事では、中学生が数学を基礎からやり直す方法を、中1・中2・中3の学年別、つまずいている単元別にわかりやすく解説します。

中学生が数学を基礎からやり直すなら「中1から全部」は必要ない

数学が苦手になると、

「中1の教科書を最初から全部やり直そう」

と考えることがあります。

もちろん、中1の最初から復習する方法も間違いではありません。

ただ、中2・中3で学校の授業や受験勉強も進めなければならない場合、すでにできる内容まで全部復習すると時間がかかります。

おすすめなのは、

簡単な問題を解きながら「できる・怪しい・できない」に分ける方法

です。

たとえば、

正負の数はできる。

文字式もできる。

一次方程式になると間違える。

という場合は、正負の数を何十問も解き直す必要はありません。

一次方程式の少し前まで戻り、

「どこからわからなくなるか」

を確認します。

数学のやり直しは、

「全範囲を復習すること」ではなく「抜けている基礎を見つけて埋めること」

と考えましょう。

数学が苦手なのは「今習っている単元」が原因とは限らない

数学では、ある単元を理解するために、それ以前の知識を使うことが多くあります。

たとえば中2で習う一次関数では、

  • 正負の数
  • 文字式
  • 方程式
  • 比例・反比例
  • 座標

など、中1までに習った内容を使います。

そのため、

「一次関数が苦手だから一次関数を100問解こう」

と考えても、前提となる計算や方程式で止まっていれば、同じ間違いを繰り返すことがあります。

文部科学省の中学校学習指導要領でも、数学は「数と式」「図形」「関数」「データの活用」などの領域に分けながら、学年をまたいで内容を発展させていきます。

また、中学校の数学を学ぶ際に、小学校で習った整数・小数・分数などの計算を補充的に学習することも考えられています。

つまり、

中学生が小学校の算数まで戻ることも、必要であれば遠回りではありません。

まずチェック|数学はどこからわからなくなった?

「数学が全部わからない」

という場合は、まず次の問題ができるか順番に確認してみましょう。

全部を本格的に解く必要はありません。

それぞれ数問ずつ解いてみて、

「ここまではできる」

という地点を探します。

チェック1|小学校の計算はできる?

まず確認したいのが、

  • たし算・ひき算
  • かけ算・わり算
  • 小数の計算
  • 分数のたし算・ひき算
  • 分数のかけ算・わり算
  • 割合

です。

特に中学生になって数学が急に苦手になった子の場合、

「実は分数の計算で止まっていた」

ということがあります。

たとえば、

1/2+1/3

のような計算で、

「分母をどうすればいいのかわからない」

という場合は、中学校の方程式を進める前に分数の計算を復習した方が理解しやすくなります。

チェック2|正負の数を計算できる?

次に確認したいのが、中1最初の重要単元である「正の数・負の数」です。

たとえば、

3-5

-2+7

-3×4

-12÷(-3)

などを計算できるでしょうか。

ここで、

「+と-がつくとわからなくなる」
「マイナス同士の計算で混乱する」

という場合は、正負の数から戻ります。

正負の数は、その後の文字式・方程式・関数でも何度も使います。

チェック3|文字式を計算できる?

次に、

3x+2x

5a-2a

3×x

6x÷2

のような文字式を確認します。

特に、

「xって何?」
「数字と文字をどう計算するの?」
「3xを3+xだと思ってしまう」

という場合は、文字式の基礎からやり直します。

文字式は、その後の方程式・連立方程式・関数・展開・因数分解などにつながる重要な内容です。

チェック4|一次方程式を解ける?

たとえば、

x+3=8

2x=10

2x+3=9

のような問題を確認します。

簡単な方程式で止まる場合は、

  • 正負の数
  • 文字式
  • 等式

のどこでつまずいているか確認します。

特に、

「移項すると符号が変わる」

というルールだけを覚えていて、なぜそうなるのかわからない場合は、基本的な問題を使って等式の考え方から確認してみましょう。

チェック5|比例・反比例の式やグラフがわかる?

y=2x

のような式を見たときに、

  • xに数字を入れてyを求められる
  • 表を作れる
  • 座標をとれる
  • グラフを書ける

でしょうか。

ここで止まっている場合は、中2の一次関数を始める前に比例・反比例を復習した方が理解しやすくなります。

数学の「戻る場所」がわかる|つまずき別やり直しマップ

ここからは、

「この単元がわからないなら、どこまで戻ればいい?」

を具体的に見ていきます。

正負の数がわからない場合

まず確認するのは、

  • 整数のたし算・ひき算
  • かけ算・わり算
  • 計算の順序

です。

これらが問題なければ、正負の数そのものを復習します。

-3+5

-2-4

(-3)×(-4)

のような基本問題から始めます。

文字式がわからない場合

戻る候補は、

  • 正負の数
  • 四則計算
  • 計算の順序

です。

特に文字式の問題で計算ミスが多い場合は、文字そのものではなく、正負の数の計算で間違えていないか確認します。

一次方程式がわからない場合

戻る候補は、

  • 正負の数
  • 文字式
  • 分数の計算

です。

たとえば、

x/3=2

や、

1/2x+3=5

で止まる場合、方程式ではなく分数計算が原因かもしれません。

比例・反比例がわからない場合

戻る候補は、

  • 割合
  • 文字式
  • 座標

です。

「y=2x」の式そのものは計算できても、グラフになるとわからない場合は、座標の読み方から確認しましょう。

連立方程式がわからない場合

中2の連立方程式でつまずいているなら、

  • 文字式
  • 一次方程式
  • 正負の数

を確認します。

特に計算途中で間違える場合は、連立方程式そのものより、正負の数や文字式の計算ミスが原因になっていることがあります。

一次関数がわからない場合

戻る候補は、

  • 比例・反比例
  • 座標
  • 一次方程式
  • 文字式

です。

一次関数では、

y=ax+b

という式だけでなく、

表
式
グラフ

を行き来する必要があります。

まず比例の、

y=ax

を理解できているか確認しましょう。

図形の証明がわからない場合

戻る候補は、

  • 角の性質
  • 平行線
  • 三角形
  • 合同条件

です。

証明問題が苦手だからといって、文章を書く練習だけをしても難しいことがあります。

まず、

「なぜこの角とこの角が等しいのか」
「どの合同条件を使うのか」

を判断できる状態にします。

展開・因数分解がわからない場合

中3の展開・因数分解で止まる場合は、

  • 文字式
  • 単項式・多項式の計算
  • 正負の数

を確認します。

たとえば、

3x×2x

や、

2x(x+3)

がうまく計算できなければ、因数分解へ進む前に文字式の乗法まで戻ります。

平方根がわからない場合

平方根では、

  • 整数
  • 素因数分解
  • 累乗
  • 分数

などを使います。

「√がついた瞬間に全部わからない」

という場合も、最初は、

√4=2

√9=3

のような基本から始めれば構いません。

二次方程式がわからない場合

戻る候補は、

  • 一次方程式
  • 展開
  • 因数分解
  • 平方根

です。

特に因数分解を利用する二次方程式では、因数分解ができなければ先へ進めません。

二次方程式だけを繰り返すのではなく、その直前の因数分解を確認しましょう。

関数y=ax²がわからない場合

戻る候補は、

  • 比例
  • 一次関数
  • 座標
  • グラフ

です。

式とグラフの関係がわからない場合は、一次関数まで戻って、

「xが変わるとyがどう変わるのか」

を確認します。

三平方の定理がわからない場合

戻る候補は、

  • 平方根
  • 二乗
  • 直角三角形

です。

公式だけを、

a²+b²=c²

と暗記しても、平方根の計算ができなければ答えまでたどり着けません。

小学校の算数まで戻った方がいい中学生のサイン

中学生なのに小学生の問題をやることに抵抗を感じる子もいます。

ですが、中学校数学の土台には小学校算数があります。

次のような場合は、小学校の内容まで一度戻ってみてもよいでしょう。

  • 分数のたし算・ひき算ができない
  • 分数のかけ算・わり算が混乱する
  • 小数の計算でよく間違える
  • 割合の意味がわからない
  • 速さ・時間・距離の関係がわからない
  • 計算の順序で迷う

特に、

分数・小数・割合

は中学校数学でも繰り返し使います。

小学校まで戻ることを、

「遅れている」
「恥ずかしい」

と考える必要はありません。

10分で復習できる内容を曖昧なままにして、その先の問題で何時間も悩む方が大変です。

中1で数学を基礎からやり直す場合

中1で数学がわからなくなった場合は、比較的戻る範囲を絞りやすい時期です。

まず、

  1. 小学校の四則計算
  2. 小数・分数
  3. 正負の数
  4. 文字式
  5. 一次方程式

を順番に確認します。

特に中1では、

「正負の数はなんとなくできていたけれど、文字式からわからなくなった」

というケースがあります。

この場合は、文字式から戻ればよく、小学校の算数を全部やり直す必要はありません。

反対に、正負の数でも計算が難しい場合は、小学校の計算まで戻ります。

中2で数学を基礎からやり直す場合

中2になると、

  • 式の計算
  • 連立方程式
  • 一次関数
  • 図形
  • 確率

などが出てきます。

中2で急に数学が難しくなったと感じた場合、まず中1の、

  • 正負の数
  • 文字式
  • 一次方程式
  • 比例・反比例

を確認します。

特に、

連立方程式が苦手
→一次方程式

一次関数が苦手
→比例・反比例

へ戻ると、つながりを理解しやすくなります。

中1の全範囲ではなく、現在つまずいている単元につながっている部分だけ戻るのがポイントです。

中3で数学を基礎からやり直す場合

中3では高校受験が近づくため、

「中1からやり直している時間はない」

と焦ることがあります。

しかし、基礎が抜けたまま入試問題を何十問解いても、解説を読んで終わってしまうことがあります。

中3ほど、

全部戻るのではなく「必要なところだけ戻る」

ことが大切です。

まず中1・中2の基本問題を少しずつ解き、

○=自力でできる

△=少し怪しい

×=できない

に分けます。

そして、△と×だけ復習します。

特に受験を意識するなら、

  • 正負の数
  • 文字式
  • 方程式
  • 連立方程式
  • 比例・反比例
  • 一次関数

など、ほかの単元にもつながりやすい基礎を優先します。

数学を基礎からやり直すなら「計算」から始めるべき?

多くの場合、計算は優先して確認したい部分です。

なぜなら数学では、

「考え方は合っているのに計算で間違える」

だけで正解できなくなるからです。

ただし、

数学のやり直し=計算問題だけをひたすら解くこと

ではありません。

数学のつまずきは、

  • 計算方法を忘れている
  • 公式の意味がわからない
  • 問題文の意味を読み取れない
  • 図と式を結び付けられない
  • どの解き方を使えばいいかわからない

など、人によって違います。

計算はできるのに文章題だけできないのであれば、計算ドリルを100問追加するより、

「文章のどの数字を使う?」
「何をxとする?」
「何を求める問題?」

と整理する練習の方が必要です。

数学の基礎問題集は何冊やればいい?

数学が苦手な状態で、問題集を何冊も買う必要はありません。

むしろ、

簡単な問題集を1冊決めて、間違えた問題を解き直す

方が進めやすくなります。

問題集を選ぶときは、

  • 基礎問題が中心
  • 1ページの問題数が多すぎない
  • 解説が詳しい
  • 途中式が載っている
  • 今の自分でも解ける問題がある

ものを選びましょう。

「簡単すぎるかな?」

と感じるくらいから始めても構いません。

今の目的は、

「難しい問題集を終わらせる」

ことではなく、

自分一人で解ける問題を増やすこと

です。

解説を読めばわかるのに、自分では解けないのはなぜ?

数学が苦手な子によくあるのが、

「答えを見るとわかる」
「先生の説明を聞けばわかる」
「でも一人だと解けない」

という状態です。

これは、

「わかる」

と

「自力で解ける」

が別だからです。

解説を読んだ直後は、その手順を覚えているので解けることがあります。

そこでおすすめなのが、

  1. まず自力で解く
  2. 間違えたら解説を読む
  3. 途中式を確認する
  4. 答えと解説を閉じる
  5. 最初からもう一度解く
  6. 翌日、同じ問題をもう一度解く

という方法です。

翌日も何も見ずに解ければ、かなり理解できてきたと判断できます。

途中式は必ず書いた方がいい?

数学が苦手な場合は、途中式を書くことをおすすめします。

途中式がないと、間違えたときに、

「どこで間違えたのか」

がわからなくなるからです。

たとえば、

2x+3=11

という問題なら、

2x=8

x=4

と書きます。

途中式があれば、

計算を間違えたのか
符号を間違えたのか
式の変形を間違えたのか

を確認できます。

数学のやり直しでは、

答えが合ったかだけでなく、どこまで正しく考えられたかを見る

ことが大切です。

数学を基礎からやり直す7日間の勉強例

「今日から何をやればいいかわからない」

という場合は、まず1週間だけ次のように進めてみてください。

1日目|どこで止まっているか確認する

中1の簡単な問題から、

  • 正負の数
  • 文字式
  • 一次方程式
  • 比例・反比例

を数問ずつ解きます。

中2・中3なら、自分が今困っている単元につながる前学年の問題も確認します。

この日は、

「何点取れたか」

より、

最初にできなくなる単元はどこか

を探してください。

2日目|最初につまずいた単元を復習する

たとえば一次方程式で止まったなら、一次方程式の基本問題だけを解きます。

そこで文字式にも不安があるとわかったら、文字式へ戻ります。

1日に何十ページも進める必要はありません。

3日目|同じ単元を何も見ずに解く

2日目に勉強した問題を、答えや解説を見ずにもう一度解きます。

できなかった問題には印をつけます。

4日目|1つ先の内容へ進む

基本問題ができるようになっていれば、少しだけ次の内容へ進みます。

正負の数
↓
文字式
↓
方程式

のようにつなげます。

5日目|学校で今習っている問題を1問だけ解く

戻り学習だけで終わらせず、今学校で習っている問題にも一度戻ります。

以前は全くわからなかった問題でも、

「この計算ならわかる」

という部分が出てくるかもしれません。

6日目|間違えた問題だけ解き直す

1~5日目に間違えた問題だけをもう一度解きます。

全部を最初からやり直す必要はありません。

7日目|1日目と同じ問題を解く

1日目にできなかった問題を、もう一度解いてみましょう。

確認するのは、

「100点になったか」

ではありません。

1週間前より、自力でできる問題が増えたか

です。

1問でも増えていれば、戻る場所は合っている可能性があります。

数学のやり直しは1日何分やればいい?

必要な勉強時間は、現在の理解度や学年によって違います。

ですが、数学が苦手で勉強そのものを嫌がっている場合は、

「毎日2時間数学」

のような計画を最初から立てなくても構いません。

まず15分なら、

5分:前日の間違い直し

5分:基礎問題

5分:学校で習っている問題

という使い方もできます。

慣れてきたら少しずつ増やします。

大切なのは、

「今日は1時間勉強した」

ではなく、

「昨日できなかったこの問題が、今日は一人で解けた」

を増やすことです。

学校の授業と戻り学習はどちらを優先する?

これは非常に大切なポイントです。

数学を基礎からやり直すからといって、学校の授業を完全に止めてしまうと、さらに差が広がることがあります。

そのため、

戻り学習+現在の授業

を並行するのがおすすめです。

たとえば30分勉強するなら、

20分:戻り学習

10分:今日学校で習った内容

という形でも構いません。

現在の授業をすべて理解しようとしなくても、

「今日出てきた公式を見る」
「例題を1問だけ確認する」
「わからないところに印をつける」

だけでも構いません。

戻り学習で基礎がつながってくると、以前より授業の説明が理解できるようになることがあります。

定期テストが近いのに基礎ができていない場合は?

定期テストが1週間後なのに、

「数学を中1からやり直さないとまずい」

と気づくこともあります。

この場合、すべてを最初からやり直すのは現実的ではありません。

まず今回のテスト範囲を確認し、

その範囲を解くために必要な基礎だけ戻る

ようにします。

たとえば今回の範囲が一次関数なら、

  • 比例
  • 座標
  • 方程式

を必要に応じて確認します。

連立方程式なら、

  • 一次方程式
  • 文字式
  • 正負の数

です。

テスト前は、

「中1を全部復習してから中2へ」

ではなく、

今回必要な基礎をピンポイントで補う

と考えましょう。

高校受験が近くても基礎からやり直して大丈夫?

高校受験が近くなると、

「今さら基礎問題をやっていていいの?」

と焦るかもしれません。

しかし、基礎計算や方程式が曖昧な状態で難しい入試問題だけを解いても、なかなか得点にはつながりません。

まず過去問や模試などを見て、

  • 基本計算で落としている
  • 方程式が解けない
  • 関数の基本問題で落としている
  • 図形の基本事項を忘れている

など、失点している場所を確認します。

そして、必要なところだけ戻ります。

受験生の場合は、

「中1から全部」ではなく「入試で点を取るために必要な基礎を優先」

することが重要です。

数学の基礎をやり直すときにやらない方がいいこと

問題集を最初から最後まで全部やろうとする

「基礎からやり直す」と聞くと、問題集の1ページ目から全部進めたくなることがあります。

ですが、すでにできる単元まで何度も繰り返す必要はありません。

最初に簡単な問題で確認し、できるところは飛ばしましょう。

答えを見ながら解く

解説を見ながら途中式を書けば、問題を解けたように感じます。

しかし、本当に確認したいのは、

「何も見ずにできるか」

です。

解説を読んだら一度閉じ、最初から自力で解いてください。

難しい問題に時間をかけすぎる

基礎からやり直している途中で、応用問題1問に30分かける必要はありません。

まずは基本問題を自力で解けるようにすることを優先します。

公式だけを丸暗記する

公式を覚えることも必要ですが、

「この問題にはこの公式」

だけを丸暗記すると、少し違う問題になったときに使えなくなることがあります。

例題を使って、

「何を求める公式なのか」
「どの数字を入れるのか」

まで確認しましょう。

丸付けだけして終わる

数学では、

×だった
↓
答えを見る
↓
赤ペンで正解を書く
↓
終了

になってしまうことがあります。

大切なのはその後です。

解説を確認したら、

答えを隠して、自分でもう一度最初から解く

ところまで行いましょう。

保護者は「何年生の問題?」より「どこまでできる?」を確認しよう

中2や中3のお子さんが、小学校や中1の問題で止まっていると、

「こんなの前に習ったでしょ」
「中3なのに大丈夫?」
「もっとちゃんと復習しておけばよかったのに」

と言いたくなることもあると思います。

ですが本人も、

「数学がわからないことはわかっている」
「でも、何から勉強したらいいのかわからない」

状態かもしれません。

そんなときは、

「なんでできないの?」

ではなく、

「この計算ならできそう?」
「ここまではわかる?」
「どの問題から難しくなる?」

と確認してみてください。

「できない場所を探す」のではなく「できる場所を見つける」

という考え方です。

できる地点が見つかれば、そこから1つずつつなげ直すことができます。

一人で「戻る場所」を見つけるのが難しい場合もある

数学が苦手な子ほど、

「どこがわからないの?」

と聞かれても、

「全部」
「わからないところがわからない」

と答えることがあります。

これは珍しいことではありません。

たとえば一次関数の問題で間違えていても、

一次関数がわからないのか
方程式がわからないのか
正負の数で計算ミスをしているのか

本人には判断できないことがあります。

その場合は、学校の先生、塾、家庭教師などに、

「今習っているところを教えてほしい」だけでなく、「どこからつまずいているか確認してほしい」

と相談する方法もあります。

戻る場所がわかれば、勉強する範囲を大きく絞ることができます。

中学生が数学を基礎からやり直すときによくある質問

数学が全くわからない中学生は何から始めればいいですか?

まず、小学校の分数・小数などの基本計算と、中1の正負の数・文字式・方程式を簡単な問題で確認しましょう。

全部を最初から勉強するのではなく、最初にできなくなる単元を探し、そこから復習します。

中2ですが中1数学からやり直した方がいいですか?

中1の内容すべてをやり直す必要はありません。

連立方程式が苦手なら一次方程式、一次関数が苦手なら比例・反比例というように、現在困っている単元につながる内容を優先して確認してください。

中3から中1数学をやり直しても間に合いますか?

中1の全範囲を最初から復習するのではなく、簡単な問題で理解度を確認して、できていない単元だけ復習しましょう。

受験が近い場合は、基本計算・方程式・関数など、ほかの問題にもつながりやすい基礎を優先します。

中学生なのに小学校の算数まで戻ってもいいですか?

必要であれば戻って構いません。

特に分数・小数・割合などは中学校数学でも使います。

小学校の内容を短時間で確認することで、中学校の問題が理解しやすくなる場合があります。

数学をやり直すなら、どの問題集がいいですか?

難しい問題集より、基礎問題が中心で、解説や途中式が詳しく載っているものがおすすめです。

何冊も使うより、まず1冊を決めて、間違えた問題を自力で解けるようになるまで繰り返しましょう。

数学は毎日やった方がいいですか?

できれば短時間でも定期的に触れるのがおすすめです。

特に計算は、長期間空けるより、少量でも繰り返した方が忘れにくくなります。

最初は1日10~15分程度から始めても構いません。

解説を読めばわかるのにテストでは解けません。どうすればいいですか?

解説を読んだあと、必ず答えを閉じて最初から自力で解いてみましょう。

さらに翌日、同じ問題を何も見ずに解くと、本当に理解できているか確認できます。

まとめ|数学を基礎からやり直すなら「学年」ではなく「最初につまずいた場所」まで戻ろう

中学生が数学を基礎からやり直すときに大切なのは、

「中1から全部やり直す」

ことではありません。

まず、

  1. 簡単な問題を解いて現在地を確認する
  2. 最初にできなくなる単元を見つける
  3. 必要なら前学年・小学校まで戻る
  4. 基本問題を自力で解けるようにする
  5. 間違えた問題を翌日もう一度解く
  6. 少しずつ今の学校の授業につなげる

という順番で進めてみてください。

一次関数がわからないなら比例へ。

連立方程式がわからないなら一次方程式へ。

方程式がわからないなら文字式へ。

文字式がわからないなら正負の数へ。

正負の数でも計算が難しければ、小学校の分数や四則計算へ。

このように、

「わからないところから1つずつ戻って、できるところとつなぐ」

ことが数学のやり直しでは大切です。

中2・中3だからといって、前の学年へ戻ることをためらう必要はありません。

10分戻ることで、その先の1時間がわかるようになることもあります。

家庭教師のあすなろでは、今学校で習っている問題だけを教えるのではなく、お子さんが「どこからわからなくなったのか」を確認し、必要なところまで戻りながら学習を進めることを大切にしています。

また、戻り学習だけになって学校の授業との差が広がらないように、学校の授業を活かした短い予習・復習も組み合わせながら進めています。

「数学が全部わからない」
「中1からやり直した方がいいのかわからない」
「問題集をやっているのに、同じところで何度も間違える」

という場合は、まず今のお子さんが、

「どこまでなら一人でできるのか」

を確認するところから始めてみてください。

中学生で英語が全くわからない…何から始める?ゼロから立て直す勉強法

「中学生になってから、英語が全くわからなくなった」
「単語も文法もわからない。何から勉強すればいい?」
「授業を聞いても、先生が何を説明しているのかわからない」

そんな状態になっていませんか?

保護者の方も、定期テストの答案を見て、

「このままで高校受験は大丈夫?」
「中1から全部やり直した方がいい?」
「単語と文法、どちらから始めればいいの?」

と不安になることがあると思います。

先に結論からお伝えすると、英語が全くわからないときほど、今学校で習っているところを無理に理解しようとする必要はありません。

まず確認したいのは、

  • アルファベットや基本的な単語を読めるか
  • 単語の意味がわかるか
  • 「I am」「You are」のようなbe動詞がわかるか
  • 「I play tennis.」のような一般動詞の文がわかるか
  • 疑問文・否定文を作れるか

という中1英語の土台です。

中2・中3で英語が全くわからなくなっていても、つまずきが中1の最初に見つかることは珍しくありません。

だからこそ大切なのは、

「今の学年を頑張る」ことより、「最初にわからなくなったところまで戻る」こと。

この記事では、英語が全くわからない中学生が何から始めればいいのかを、順番にわかりやすく解説します。

中学生で英語が全くわからないなら、まず「どこからわからないか」を調べよう

「英語が全くわからない」

と言っても、実際のつまずき方は一人ひとり違います。

たとえば、

「長文が読めない」

という中学生でも、原因を確認してみると、

  • そもそも単語が読めない
  • 単語は読めるけれど意味がわからない
  • 単語の意味はわかるけれど語順がわからない
  • 一般動詞とbe動詞の違いがわからない
  • 過去形になった途端にわからなくなる

など、止まっている場所は違います。

ここを確認せずに、

「単語をもっと覚えなさい」
「問題集を最初からやりなさい」

と勉強量だけ増やしても、なかなか解決しません。

英語を立て直す最初の一歩は、

「何ができないか」ではなく「どこまではできるか」を探すこと

です。

まず5分でチェック!どこまで戻ればいい?

次の英文を、お子さんがどこまで理解できるか確認してみてください。

チェック1|アルファベットを見て読める?

A・B・Cだけでなく、

  • bとd
  • pとq
  • mとn

など、大文字・小文字を見分けられるでしょうか。

また、

dog
cat
pen
book

などの簡単な単語を見たときに、ある程度読むことができるでしょうか。

ここでかなり止まる場合は、文法問題を始める前に、アルファベットと簡単な英単語から戻った方が進みやすくなります。

チェック2|基本単語の意味がわかる?

次の単語の意味がわかるでしょうか。

  • like
  • play
  • have
  • study
  • school
  • friend
  • today

英文は、単語が集まってできています。

文法を理解していても、文の中に知らない単語が多ければ意味をつかめません。

単語で止まっている場合は、まず教科書に出てくる基本単語を少しずつ覚えていきましょう。

チェック3|「I am a student.」がわかる?

I am a student.

この文を見て、

「私は生徒です」

と意味がわかるでしょうか。

さらに、

I am
You are
He is
She is

の使い分けがわかるかも確認します。

ここがわからない場合は、be動詞まで戻るのがおすすめです。

チェック4|「I play tennis.」がわかる?

I play tennis.

この文を見て、

「私はテニスをします」

とわかるでしょうか。

そして、

I play tennis.
I do not play tennis.
Do you play tennis?

の違いがわかるでしょうか。

ここで止まる場合は、

  • 一般動詞
  • 否定文
  • 疑問文

を順番に復習していきます。

チェック5|「He plays tennis.」で迷わない?

I play tennis.

ならわかるのに、

He plays tennis.

になるとわからない。

そんな場合は、

三単現のsあたりが最初のつまずき

かもしれません。

英語は前に習った内容を使いながら、少しずつ新しいルールが加わっていきます。

わからなくなった地点より後だけを何度勉強しても、理解しづらいことがあります。

英語が全くわからなくなりやすい理由

「ちゃんと授業を受けていたのに、どうしてこんなにわからなくなったの?」

と思う保護者の方もいるかもしれません。

ですが、英語にはつまずきが積み重なりやすい特徴があります。

理由1|前に習った内容を使って次へ進むから

たとえば、

一般動詞がわからない

↓

疑問文がわからない

↓

過去形がわからない

↓

不定詞や比較などが入ってさらにわからない

というように、最初の小さなつまずきが、学年が上がるにつれて大きくなることがあります。

数学と同じように、英語も前の内容とのつながりが強い教科です。

中3だから中3の問題を解かなければいけない、というわけではありません。

必要なら中1まで戻って構いません。

理由2|単語がわからないまま文法を勉強している

英文を理解するには、文法だけでなく単語も必要です。

たとえば、

I visited my grandmother yesterday.

という文で、

visited
grandmother
yesterday

の意味がすべてわからなければ、過去形のルールを知っていても文全体を理解するのは難しくなります。

反対に、単語だけ覚えていても語順や文法がわからなければ、文章になると意味を取りにくくなります。

単語と文法は、どちらか一方だけではなく並行して勉強することが大切です。

理由3|小学校英語から中学校英語への変化についていけなかった

小学校でも英語に触れる機会がありますが、中学校では、

  • 単語を書く
  • 文のルールを理解する
  • 英文を読む
  • 英文を書く
  • 英語を聞く
  • 英語で表現する

といった学習が本格化します。

小学校では英語がそれほど苦手ではなかった子でも、中学校に入ってから、

「急にわからなくなった」

と感じることがあります。

理由4|「わからない」をそのままにしてしまった

英語の授業で一度わからなくなると、その後の授業も理解しづらくなります。

でも、

「みんなはわかっていそう」
「こんなことを質問したら恥ずかしい」
「何がわからないのかも説明できない」

と思って、質問できない子もいます。

すると、

わからない

↓

質問できない

↓

次の授業もわからない

↓

英語が嫌になる

という流れになりやすくなります。

英語が全くわからない中学生は何から始める?6つの順番

ここからが一番重要です。

英語が全くわからない場合、いろいろな教材に手を出すのではなく、次の順番で進めてみてください。

ステップ1|アルファベットと「簡単な単語が読めるか」を確認する

アルファベットが問題なく読めるなら、ここに長い時間をかける必要はありません。

一方、

「英単語を見るだけで嫌になる」
「ローマ字のように読んでしまう」
「教科書の英文を声に出せない」

という場合は、簡単な単語を使って、

  1. 音声を聞く
  2. 文字を見る
  3. まねして読む

という練習から始めてみましょう。

最初から長文を読む必要はありません。

教科書の短い単語や1文だけでも十分です。

ステップ2|基本単語を1日5~10個から覚える

英語が苦手な子に、

「単語を毎日30個覚えよう」

と決めても続かないことがあります。

最初は5~10個程度でも構いません。

たとえば、

play=する、競技する
like=好き
have=持っている
go=行く
study=勉強する

など、学校の教科書に繰り返し出てくる単語から始めます。

ここで大切なのは、最初からすべてを完璧に覚えようとしないことです。

まず、

  1. 英語を見て意味がわかる
  2. 音を聞いて意味がわかる
  3. 声に出して読める
  4. 最後に書けるか確認する

という順番で覚えても構いません。

覚えた単語は翌日にももう一度確認しましょう。

一度で覚えようとせず、何度も出会うことが大切です。

ステップ3|be動詞と一般動詞を最優先で復習する

中学英語をやり直すときに、特に大切なのが、

  • be動詞
  • 一般動詞

です。

まず、この2つを区別できるようにします。

たとえば、

I am happy.

と

I play soccer.

では文の作り方が違います。

難しい文法用語をたくさん覚える前に、

「英語はまず、だれが+どうなの・何をする、の順番で考える」

くらいから始めても構いません。

そして、

I am happy.
You are happy.
He is happy.

I play soccer.
You play soccer.
He plays soccer.

という短い文を見比べながら、少しずつルールを理解していきます。

ステップ4|疑問文と否定文へ進む

肯定文がわかるようになったら、

否定文
疑問文

へ進みます。

たとえば、

You are busy.

を、

You are not busy.
Are you busy?

へ変える練習をします。

一般動詞なら、

You play soccer.

から、

You do not play soccer.
Do you play soccer?

へ変えます。

このとき、

「be動詞の文なのか」
「一般動詞の文なのか」

を最初に判断する癖をつけると整理しやすくなります。

ステップ5|教科書の「1文」を理解する

基本が少しわかってきたら、学校の教科書に戻ります。

ただし、いきなり1ページ全部を訳す必要はありません。

まず1文だけ選びます。

その1文について、

  1. 知らない単語を確認する
  2. 主語を見つける
  3. 動詞を見つける
  4. 日本語の意味を確認する
  5. 音声を聞く
  6. 声に出して読む

という順番で取り組みます。

たった1文でも、

「自分で読めた」
「意味がわかった」

という状態を作ることが重要です。

1文がわかったら2文、2文がわかったら3文と増やしていきます。

ステップ6|少しずつ今の学校の授業につなげる

戻り学習だけを何か月も続けていると、学校の授業との差がさらに広がることがあります。

そのため、

「戻り学習」と「今学校で習っている内容」を少しずつ並行する

のがおすすめです。

たとえば15分勉強するなら、

  • 5分:基本単語
  • 5分:中1の戻り学習
  • 5分:今日学校で習った教科書

という形でも構いません。

大事なのは、今の授業をすべて理解しようとすることではありません。

「今日出てきた単語を3個覚える」
「教科書の1文だけ意味を確認する」

という小さな目標で十分です。

中1・中2・中3|英語が全くわからない場合はどこまで戻る?

「何年生まで戻ればいいの?」

という疑問も多いと思います。

学年ではなく、最初にできなくなるところまで戻るのが基本です。

中1で英語が全くわからない場合

まず確認したいのは、

  • アルファベット
  • 基本単語
  • I・you・he・sheなど
  • be動詞
  • 一般動詞

です。

中1の途中でつまずいているなら、教科書の最初の単元に戻るだけで理解できる場合もあります。

授業に追いつこうとして現在のページばかり勉強するより、最初の数単元をやり直した方が、結果的に早く理解できることがあります。

中2で英語が全くわからない場合

中2で英語がわからない場合も、まず中1の内容を確認してください。

特に、

  • be動詞と一般動詞
  • 疑問文・否定文
  • 三単現のs
  • 代名詞
  • 過去形

が理解できているかを確認します。

このあたりが曖昧なままだと、中2で習う内容も理解しづらくなります。

「中2だから中2の問題集」

と決めず、中1用の簡単な問題を解いてみるのがおすすめです。

中3で英語が全くわからない場合

中3になると高校受験が近づくため、

「中1からやり直している時間なんてない」

と思うかもしれません。

しかし、中1の基本がわからないまま難しい長文を何度読んでも、なかなか点数にはつながりません。

まず、

  • 基本単語
  • be動詞
  • 一般動詞
  • 疑問文・否定文
  • 三単現
  • 過去形

などを短期間で確認し、できていないところに絞って戻ります。

全部を最初から完璧にする必要はありません。

「できている単元は飛ばす」
「できない単元だけ戻る」

という進め方なら、時間を短縮できます。

まず1週間だけやってみる|英語を立て直す7日間

「具体的に今日から何をすればいいかわからない」

という場合は、まず1週間だけ次のように進めてみましょう。

1日目|どこからわからないか確認する

中1の簡単な問題を使って、

  • 単語
  • be動詞
  • 一般動詞
  • 疑問文
  • 否定文

をチェックします。

点数をつけることが目的ではありません。

最初に止まる場所を見つけることが目的です。

2日目|基本単語+be動詞

英単語を5~10個。

そのあと、

I am
You are
He is
She is

を使った簡単な文を練習します。

3日目|基本単語+一般動詞

英単語を5~10個復習し、

I play soccer.
I like music.
I study English.

のような短い文を作ります。

4日目|否定文

be動詞と一般動詞、それぞれの否定文を確認します。

I am not ~.

I do not ~.

の違いを見比べましょう。

5日目|疑問文

Are you ~?

Do you ~?

の違いを確認します。

1日で完璧にならなくても構いません。

6日目|学校の教科書を3文だけ読む

今学校で使っている教科書を開き、3文だけ選びます。

  • 単語を調べる
  • 主語と動詞を探す
  • 意味を確認する
  • 音声を聞く
  • 音読する

までやってみましょう。

7日目|もう一度同じ問題を解く

1日目にわからなかった問題を、もう一度解きます。

ここで確認したいのは点数ではありません。

「1週間前にできなかった問題が、今日はできるようになったか」

です。

1つでもできる問題が増えていれば、勉強の方向は間違っていません。

英語が全くわからないときにやらない方がいい勉強法

頑張っているのに英語が伸びない場合、努力の量ではなく、勉強する順番が合っていない可能性があります。

いきなり今の学年の難しい問題集を解く

中3だから中3用の問題集を解く。

一見正しそうですが、中1の文法で止まっている場合は難しすぎます。

ほとんど解けない問題集を何時間続けても、

「やっぱり英語は無理」

という気持ちが強くなってしまいます。

自力で6~8割くらい解ける簡単なところまで戻ってみましょう。

答えを丸写ししてワークを終わらせる

学校の提出期限が迫ると、答えを見ながらワークを埋めてしまうことがあります。

提出することも大切ですが、それだけでは英語の理解は進みません。

答えを確認した問題は、時間を空けて、

今度は答えを見ずにもう一度解く

ところまで行いましょう。

英単語をひたすらノートに何十回も書く

英単語を覚えるために、同じ単語を20回、30回と書いている子もいます。

書くこと自体が悪いわけではありません。

しかし、

「書く作業」

になってしまうと、覚えているかどうかの確認ができません。

数回練習したら単語を隠し、

「意味を言える?」
「英語を書ける?」

とテストしてみましょう。

きれいなまとめノートを作るだけで終わる

文法を色分けして、きれいなノートを作る。

それだけで勉強した気持ちになることがあります。

しかし、テストで必要なのは、

「見ればわかる」

ではなく、

「自分で答えられる」

状態です。

まとめた後は必ず問題を解きましょう。

いきなり長時間勉強しようとする

英語が苦手な子が、

「今日から毎日2時間英語をやる!」

と決めても、続かないことがあります。

まず15分でも構いません。

5分単語
5分文法
5分教科書

のように、やることを具体的に決めてみてください。

英単語はどうやって覚えればいい?

英語が全くわからない中学生にとって、英単語は大きな壁です。

おすすめなのは、

「覚える時間」と「思い出す時間」を分けること

です。

たとえば10個覚えるなら、

  1. 単語と意味を見る
  2. 声に出す
  3. 数回書いてみる
  4. 一度単語を隠す
  5. 自分でテストする
  6. 間違えた単語だけやり直す

という流れです。

10個中4個間違えたなら、次は10個すべてではなく、その4個を中心に復習します。

翌日にも、同じ10個をもう一度テストします。

「50個眺めた」より、

「10個を見ずに答えられた」

を増やしていきましょう。

文法は「説明を読む」だけでなく短い文を作ろう

文法書の説明を読むだけだと、

「わかった気はするけれど、問題になると解けない」

という状態になることがあります。

そこで、ルールを一つ覚えたら、短い英文を自分で作ってみます。

たとえば一般動詞なら、

I play soccer.
I like cats.
I study math.

などです。

難しい英文を作る必要はありません。

自分の知っている単語を使って、

「自分で1文作れるか」

を確認する方が理解度を確認しやすくなります。

教科書は「読む→意味→音読」の順番で使う

学校の英語の教科書は、復習にも使えます。

ただし、意味がわからない状態で何度も音読するだけでは苦しくなります。

おすすめは、

  1. 知らない単語を調べる
  2. 英文の意味を確認する
  3. 主語と動詞を見つける
  4. 音声を聞く
  5. 音声をまねして読む
  6. 最後に自分だけで読む

という順番です。

最初は1ページではなく、1~3文程度から始めてください。

英語が全くわからない中学生に問題集は必要?

問題集を何冊も買う必要はありません。

むしろ英語がわからない状態では、

「一番簡単に感じる教材を1冊繰り返す」

方が進めやすいことがあります。

選ぶときは、

  • 説明が短くわかりやすい
  • 1ページの問題数が多すぎない
  • 中1の最初から確認できる
  • 基礎問題が中心
  • 解説を読めば自分でも理解できる

ものがおすすめです。

書店で開いてみて、

「ちょっと簡単すぎるかな?」

と思うくらいでも構いません。

今必要なのは難しい問題を解くことではなく、

自力でできる問題を増やすこと

だからです。

定期テストが近い場合はどうする?

「英語を中1からやり直したいけれど、来週定期テストがある」

という場合は、全部を戻り学習に使う必要はありません。

テスト前は、

  • 学校ワークの基本問題
  • テスト範囲の英単語
  • 教科書本文
  • 授業プリント
  • 先生が重要と言っていたところ

を優先しながら、必要な基礎だけ戻ります。

たとえば過去形が範囲なのに一般動詞がわからないなら、一般動詞まで戻る。

疑問文がわからないなら、疑問文の作り方まで戻る。

という形です。

全部をやり直そうとせず、「今回のテストに必要な基礎」から戻ると時間を使いやすくなります。

高校受験が近くても中1英語まで戻って大丈夫?

大丈夫です。

むしろ、中1の内容が理解できていない状態で受験用の長文や難しい文法問題ばかり解いても、なかなか前へ進めないことがあります。

ただし、中3の場合は時間に限りがあります。

中1の教科書を最初から全部やり直すのではなく、簡単な問題を使って、

「できる」
「怪しい」
「できない」

に分けましょう。

そして、

「できないところだけ戻る」

ようにします。

戻ることが目的ではありません。

受験問題を解くために必要な土台を補修する

と考えてください。

保護者はどう声をかければいい?

お子さんが英語をほとんど理解できていないと、

「ちゃんと授業を聞いてたの?」
「こんなの中1でやったでしょ?」
「もっと単語を覚えないと」

と言いたくなることもあると思います。

ですが本人も、

「わからないことはわかっている。でも、何からやればいいかわからない」

状態かもしれません。

そんなときは、

「どこからわからなくなった?」

と聞くより、

「この単語はわかる?」
「この文なら意味わかる?」
「ここまではできそう?」

と、一緒に確認する方がつまずきを見つけやすくなります。

「なぜできないのか」を探すというより、

「どこまでならできるか」を一緒に探す

というイメージです。

「英語が全くわからない」と言う子ほど最初の目標を小さくしよう

英語が苦手な状態で、

「次のテストで80点取ろう」

と言われても、本人には遠すぎる目標に感じることがあります。

まずは、

  • 昨日わからなかった単語を5個覚えた
  • be動詞の問題を5問解けた
  • 教科書を1文読めた
  • 学校の授業でわかる文が1つあった

という変化を積み重ねていきます。

「できない」がたくさんある状態では、

できないところを全部見るより、

「今日は何を1つできるようにする?」

と考えた方が取り組みやすくなります。

一人で戻り学習するのが難しい場合もある

英語が全くわからない状態になると、

「中1からやり直せばいい」

と言われても、

「中1のどこから?」
「どの問題をやればいい?」
「この答えになる理由がわからない」

となってしまうことがあります。

特に、

  • 何がわからないのか自分でも説明できない
  • 答えを読んでも理解できない
  • 問題集を開くだけで嫌になってしまう
  • 勉強しているのに同じところで何度も間違える
  • 学校で質問できない

という場合は、一人で全部解決しようとしなくても構いません。

学校の先生、塾、家庭教師などに、

「今学校で習っているところ」ではなく、

「最初にわからなくなったところを見つけてほしい」

と相談してみるのも方法の一つです。

中学生の英語が全くわからないときによくある質問

英語が全くわからない中学生は何から始めればいいですか?

まず、アルファベット・基本単語・be動詞・一般動詞のどこまで理解できているか確認してください。

全部を最初からやる必要はありません。

最初にできなくなるところを見つけ、そこから戻るのがおすすめです。

中2ですが、中1の英語が全くわかりません。間に合いますか?

中1まで戻って構いません。

特にbe動詞・一般動詞・疑問文・否定文・三単現・過去形などを確認しましょう。

わかる単元は飛ばし、できないところだけ復習すると効率的です。

中3で英語が全くできません。高校受験はどうすればいいですか?

受験が近くても、必要なら中1の基本まで戻ります。

ただし時間が限られているため、基礎問題で理解度を確認し、できていない単元に絞ることが大切です。

同時に、志望校の入試問題や現在の得点状況に合わせて優先順位を決める必要があります。

英単語と文法はどちらを先に勉強すればいいですか?

どちらか一方だけではなく、少しずつ並行して進めるのがおすすめです。

たとえば15分なら、

5分単語
5分文法
5分教科書

という方法でも構いません。

毎日何時間勉強すれば英語ができるようになりますか?

必要な時間は現在の理解度によって違います。

英語が苦手な場合は、最初から長時間勉強するより、15分でも毎日続ける方が取り組みやすいことがあります。

時間だけではなく、

「今日は単語5個」
「今日はbe動詞の問題5問」

のように、できるようにする内容を決めてください。

英語が0点や10点台でもやり直せますか?

点数だけで「どこまでできるようになるか」を決めることはできません。

まず答案や簡単な基礎問題を使い、

「何ならわかるのか」
「どこから止まっているのか」

を確認しましょう。

今のテストの点数より、最初のつまずきを見つけることの方が重要です。

英語が嫌いで勉強しようとしません。どうすればいいですか?

難しすぎる問題ばかり解いていると、「どうせできない」という気持ちになりやすくなります。

今より簡単な問題まで戻り、

「自分で解けた」

という問題を作るところから始めてみてください。

まとめ|英語が全くわからないなら「今」より「最初につまずいたところ」に戻ろう

中学生で英語が全くわからなくなっても、

「全部わからない」

とは限りません。

まず、

  1. アルファベット・簡単な単語を確認する
  2. 基本単語を少しずつ覚える
  3. be動詞と一般動詞を確認する
  4. 否定文・疑問文へ進む
  5. 教科書を1文ずつ理解する
  6. 戻り学習と今の授業を少しずつつなげる

という順番で進めてみてください。

中2・中3でも、中1まで戻って構いません。

大切なのは、

「学年に合った勉強をすること」

ではなく、

「今の自分が理解できるところから勉強をつなぎ直すこと」

です。

英語がわからなくなった期間が長いほど、一気に取り戻そうとすると苦しくなります。

まず、

「単語を5個覚えた」
「1文読めた」
「be動詞がわかった」

という小さな「わかった」を増やしていきましょう。

家庭教師のあすなろでは、今の学年の内容をただ教えるのではなく、「どこからわからなくなったのか」を確認しながら、必要なところまで戻って学習することを大切にしています。

また、戻り学習だけで学校の授業から離れてしまわないように、学校の授業を活かしながら短い予習・復習を組み合わせていきます。

「英語が全くわからない」
「どこから教えればいいのかわからない」
「本人も何がわからないのかわかっていない」

という場合は、まず今のお子さんが「どこまでならできるのか」を確認するところから始めてみてください。

定期テスト2週間前からの勉強法|ワークと解き直しの逆算計画

「定期テストまであと2週間だけど、何から勉強すればいい?」
「まだテスト範囲が出ていないけど、始めた方がいい?」
「学校のワークは、いつまでに終わらせればいいの?」

定期テスト2週間前になると、そろそろ勉強を始めなければと思いながらも、何から手をつければいいのかわからない中学生も多いのではないでしょうか。

先に結論からお伝えすると、定期テスト2週間前に大切なのは、いきなり長時間勉強することではありません。

まず、

  • テスト範囲を確認する
  • 学校ワークの残りページを確認する
  • 苦手な教科・単元を見つける
  • 1週間前までにワーク1周目を進める
  • 間違えた問題をテスト直前までに解き直す

という順番で進めていきます。

ポイントは、学校ワークを「提出するために終わらせる」のではなく、「自分ができない問題を見つけるために使う」ことです。

この記事では、勉強があまり得意ではない中学生でも実践しやすいように、定期テスト2週間前から前日までの勉強法を、14日間の流れに沿って具体的に解説します。

定期テストの勉強は2週間前から始めれば間に合う?

「テスト勉強は2週間前から」とよく聞きますが、すべての中学生にとって2週間あれば十分とは限りません。

Z会が会員を対象に行ったアンケートでは、定期テスト対策を始める時期として、どの得点層でも「2週間程度前」が最も多く、約半数を占めていました。

一方、90点以上を取っている生徒では、約3割が「3週間程度前」から勉強を始めていたと報告されています。

つまり、

2週間前は「勉強を始めるひとつの目安」ではありますが、余裕をもって高得点を目指すなら、それより前から始めても構いません。

特に、

  • 学校ワークがかなり残っている
  • 苦手教科が複数ある
  • 部活や習い事で平日に勉強時間を取りにくい
  • 前回のテストでワークを終わらせるだけになった

という場合は、3週間前など少し早めに動き始めた方がよいでしょう。

逆に「もう2週間前になってしまった」と焦る必要もありません。

大切なのは、残された14日間で何をするかを整理することです。

なぜ定期テストは「2週間前からの逆算」が大切なの?

定期テスト勉強でよくある失敗が、

「とりあえずワークを最初からやる」

という始め方です。

もちろんワークを進めること自体は間違いではありません。

しかし、計画を立てずに進めると、

  • 得意な問題ばかりに時間を使う
  • 1教科に時間をかけすぎる
  • テスト直前まで提出物が終わらない
  • 間違えた問題を解き直す時間がなくなる

という状態になりやすくなります。

本来、学校ワークの1周目は「ゴール」ではありません。

1周目で、

「できる問題」
「少し不安な問題」
「できない問題」

を見つけ、その後に不安な問題やできなかった問題を解き直すことが大切です。

だからこそ、テスト前日にワークを終わらせるのではなく、解き直しの時間から逆算して1周目を終える必要があります。

定期テスト2週間前になったら最初にやることは3つ

いきなり問題集を開く前に、まず現在地を確認してみましょう。

必要なのは難しい計画表ではありません。

次の3つを確認するだけでも、やるべきことがかなり見えやすくなります。

1.テスト範囲を確認する

まずは学校から配られたテスト範囲表を確認します。

見るのはテスト範囲だけではありません。

  • 教科書の範囲
  • 学校ワークの範囲
  • プリント
  • ノート
  • 提出物
  • 提出期限

まで確認しておきましょう。

先生から「ここは出す」「このプリントを復習しておくように」と言われているところがあれば、それもチェックしておきます。

2.学校ワークがあと何ページ残っているか確認する

次に重要なのが、ワークの「残りページ」です。

たとえば数学のテスト範囲が30ページまでで、現在15ページまで終わっているなら、残りは15ページです。

英語が残り20ページ、理科が15ページ、社会が20ページなら、

「かなり残っているから早めに進めよう」

と判断できます。

逆にほとんど終わっているなら、ワークを何度も最初からやるより、間違えた問題の解き直しに時間を使えます。

「勉強しなきゃ」と考えるだけでは、やることが多く感じてしまいます。

「残り何ページなのか」まで数字にすると、今日やる量を決めやすくなります。

3.1日に勉強できる時間を確認する

次に、テストまでの14日間で勉強できる時間を確認します。

このとき、最初から理想的な予定を組まないことがポイントです。

部活がある日、塾や習い事がある日、休日では、使える時間が違います。

「毎日3時間勉強する」

ではなく、

「火曜日は部活があるから60分」
「木曜日は習い事があるから45分」
「土曜日は午前と夕方で合計3時間」

というように、実際に使える時間から考えてみましょう。

まだテスト範囲が出ていない場合はどうする?

定期テスト2週間前でも、学校によってはまだ正式なテスト範囲表が配られていないことがあります。

でも、範囲表が出るまで何もしない必要はありません。

範囲が出ていない場合は、

  • 前回のテスト範囲の次から現在の授業まで
  • 最近習った単元
  • 学校ワークで授業が終わっているページ
  • 英単語・漢字
  • これまでの授業でわからなかった問題

から進めておきましょう。

特に学校ワークは、授業で習ったところまで普段から進めておくと、正式なテスト範囲が発表されたときの負担が減ります。

「範囲が出たら始めよう」ではなく、

「今まで習ったところまでは進めておこう」

と考えるのがおすすめです。

定期テスト2週間前からの14日間勉強スケジュール

ここからは、実際に14日間をどのように使えばよいのかを説明します。

大きく4つの期間に分けると考えやすくなります。

14~10日前|テスト範囲と苦手を把握する

最初の5日間は、

「全部覚える期間」ではなく「どこができないかを見つける期間」

と考えてください。

やることは、

  • テスト範囲を確認する
  • ワークの残りページを確認する
  • 提出物を書き出す
  • 学校ワークを進める
  • 間違えた問題に印をつける

です。

ここでおすすめなのが、ワークを解いた問題を

  • ○=自力でできた
  • △=できたけれど自信がない
  • ×=間違えた・わからなかった

の3つに分ける方法です。

この印をつけておくと、あとから全部を解き直す必要がありません。

テストが近づいたら△と×を優先できます。

9~6日前|ワーク1周目を終わらせる

この期間の大きな目標は、

学校ワークの1周目にひと区切りつけること

です。

ただし「全部正解する」ことを目標にする必要はありません。

わからない問題に何十分も止まってしまうと、ほかの教科が進まなくなります。

考えてもわからない問題は、

  • 「?」をつける
  • 答え・解説を確認する
  • 学校や塾、家庭教師などで質問する
  • 翌日にもう一度自力で解く

という流れにしましょう。

重要なのは、答えを書き写して「終わったこと」にしないことです。

ワークは「1ページ丸付け」で進めよう

学校ワークを10ページ、20ページと一気に進めてから丸付けをすると、

「なぜこの答えを書いたんだっけ?」

となりやすくなります。

おすすめなのは、1ページ解いたら、その場で丸付けする方法です。

1ページごとに、

  1. 問題を解く
  2. 丸付けする
  3. ○△×をつける
  4. 間違えた理由を確認する

まで行います。

これなら「できなかった問題」がその場でわかります。

学校ワークを早く終わらせることよりも、

自分が何をわかっていないのかを見つけること

を優先しましょう。

5~3日前|△と×だけを重点的に解き直す

テスト5日前くらいからは、勉強の中心を「解き直し」に変えていきます。

1周目で○だった問題を最初から全部やり直す必要はありません。

まずは、

  • ×だった問題
  • △だった問題
  • 先生が重要と言っていた問題

を優先します。

このとき大事なのは、

答えを見ればわかる状態ではなく、答えを隠して自力でできるか確認すること

です。

勉強していると、

「見たらわかる」
「説明を読めばわかる」

という状態になりやすいのですが、テスト本番では答えも解説も見ることができません。

最後は必ず、

「見ないで言えるか」
「見ないで書けるか」
「自力で解けるか」

まで確認しましょう。

自分で思い出す練習をする「練習テスト」や、学習を日に分けて繰り返す方法は、教育心理学の研究でも有効性の高い学習法として評価されています。

2日前~前日|新しいことを増やさず総仕上げする

テスト直前になると、不安になって新しい問題集や難しい問題に手を出したくなることがあります。

ですが、特に勉強が苦手な子の場合は、

これまでやった問題の中で、まだできないところを減らすこと

を優先した方が取り組みやすくなります。

直前は、

  • 数学の間違えた問題
  • 英単語
  • 漢字
  • 理科・社会の重要語句
  • 学校プリント
  • 先生が重要と言ったところ

などを中心に確認します。

「できる問題を増やす」というより、

「まだできない問題を減らす」

というイメージで進めましょう。

5教科は何から勉強すればいい?

5教科すべてを同じ時間ずつ勉強する必要はありません。

限られた2週間を使うなら、優先順位をつけましょう。

ひとつの目安として、

  1. 苦手だけれど、少し勉強すれば点につながりそうな教科
  2. 理科・社会・英単語など覚えることで得点につながりやすいところ
  3. 比較的できている教科

の順に考えます。

特に「全部苦手」という場合は、一番難しい問題から始める必要はありません。

基本問題や暗記問題など、比較的取り組みやすいところから得点できる状態を作っていきましょう。

数学の定期テスト2週間前の勉強法

数学は、問題を眺めるだけではできるようになりません。

学校ワークを使って、

  1. 自力で解く
  2. 丸付けする
  3. 間違えた問題に×をつける
  4. 解き方を確認する
  5. 翌日もう一度解く

を繰り返します。

特に、

  • 計算ミス
  • 公式を覚えていない
  • 途中式でわからなくなる
  • 文章題の意味がわからない

では対策が違います。

単に「数学が苦手」で終わらせず、どこで止まっているのか確認しましょう。

英語の定期テスト2週間前の勉強法

英語は、

  • 英単語
  • 教科書本文
  • 文法
  • 学校ワーク

を分けて勉強すると進めやすくなります。

英単語なら、英語を見て日本語がわかるだけではなく、日本語から英語を書けるかも確認します。

文法は説明を読むだけでなく、実際に問題を解いて使えるか確認しましょう。

教科書本文について学校の授業で詳しく扱っている場合は、意味や重要表現も見直しておきます。

国語の定期テスト2週間前の勉強法

国語というと「何を勉強すればいいかわからない」と思うかもしれません。

まず優先したいのは、

  • 漢字
  • 語句
  • 文法
  • 学校ワーク
  • 授業で扱った文章

です。

授業中に先生が説明した内容や、ノート・プリントに書かれていることも確認しておきましょう。

漢字は「見たことがある」で終わらず、実際に書けるかテストします。

理科の定期テスト2週間前の勉強法

理科は暗記だけでなく、

  • 用語
  • 図やグラフ
  • 実験
  • 計算問題

などが含まれます。

用語だけ覚えて終わるのではなく、

「なぜそうなるのか」
「この実験から何がわかるのか」

を説明できるか確認してみましょう。

計算問題が範囲に入っている場合は、数学と同じように実際に問題を解くことが必要です。

社会の定期テスト2週間前の勉強法

社会では、教科書やノートを何度も読むだけになってしまうことがあります。

読む勉強をしたあとには必ず、

  • 用語を隠して答える
  • 白紙に書き出す
  • ワークを解く
  • 自分で説明する

など、「覚えているか確かめる勉強」を入れましょう。

たとえば、

「鎌倉幕府について説明してみて」
「この出来事の原因は?」

と聞かれて、自分の言葉で説明できるか確認するのもおすすめです。

勉強が苦手な子は「全部やろう」としなくていい

テスト範囲表を見ると、

「こんなにあるの?」

と、それだけでやる気をなくしてしまう子もいます。

特に普段あまり勉強していない場合、いきなり

「今日から毎日3時間やろう」
「5教科全部やろう」

と決めても続かないことがあります。

そんなときは、最初の行動を小さくしてください。

たとえば、

  • 英単語を5個
  • 数学の計算を1ページ
  • 学校ワークを1ページ

でも構いません。

「全部終わらせる」と考えると動けなくても、「まず1ページ」なら始めやすくなります。

最初から完璧な勉強計画を実行することより、今日ひとつでも勉強を始めることを優先しましょう。

予定より勉強が遅れてしまったらどうする?

14日間の計画を立てても、必ず予定通りに進むとは限りません。

学校行事、部活、体調などで遅れることもあります。

そんなときに、

「計画通りできなかったからもう無理」

と考える必要はありません。

計画が遅れたときは、やることを減らします。

優先順位は、

  1. 提出期限のあるもの
  2. 学校ワークの基本問題
  3. すでに間違えている問題
  4. 暗記すれば点につながりやすい内容
  5. 余裕があれば応用問題

と考えると整理しやすくなります。

残り時間が少ないほど、

「何を追加するか」より「何を優先するか」

が大切になります。

「ワークを3周」は必ず全部を3回やるという意味ではない

テスト勉強では「ワークを3周しよう」と言われることがあります。

ただし、毎回すべての問題を最初から3回解く必要はありません。

たとえば、

1周目:全範囲を解いて○△×をつける

2周目:△と×を中心に解く

3周目:まだ残っている△と×を解く

という方法なら、できる問題に何度も時間を使わずに済みます。

大切なのは「3周した」という回数ではありません。

テスト本番で、自力で解ける問題がどれだけ増えたかです。

定期テスト2週間前の計画の立て方|記入例

計画を立てるときは、「数学をやる」「英語をやる」だけでは少し曖昧です。

何をどこまでやるかまで決めましょう。

たとえば14日前なら、

  • 数学:ワーク20~24ページ
  • 英語:ワーク18~22ページ+英単語10個
  • 理科:ワーク12~15ページ

という形です。

そして、その日の最後に、

  • 予定通り終わった
  • 数学が2ページ残った
  • 英単語で5個覚えられなかった

などを確認します。

残った分は翌日以降に調整します。

計画は「守れなかったら失敗」ではありません。

現在地を確認して、次の日の勉強を決めるためのものと考えてください。

定期テスト1週間前になったら確認したいこと

テスト1週間前になったら、一度計画を見直しましょう。

確認したいのは次の5つです。

  • 学校ワークはどこまで終わっている?
  • 提出物で残っているものは?
  • ×が多い教科は?
  • 質問できていない問題は?
  • まだ暗記を始めていない範囲は?

ここで「予定より遅れている」とわかっても問題ありません。

残り7日間の計画を作り直せばいいだけです。

むしろ、テスト前日になって気づくより、1週間前に気づいた方が立て直しやすくなります。

テスト前日にやってはいけない勉強

前日になると焦って、

  • 新しい問題集を始める
  • 難しい応用問題ばかり解く
  • ノートを最初からきれいにまとめ直す
  • できる問題まで全部やり直す

といった勉強をしてしまうことがあります。

しかし時間が限られている前日は、今までの勉強で見つかった「できないところ」を確認する方が効率的です。

前日は、

「勉強範囲を広げる日」ではなく「取りこぼしを減らす日」

と考えましょう。

テスト前日になってほとんど勉強できていない場合は、無理にこの記事の14日間計画を追いかける必要はありません。

その場合は、暗記や基本問題など、残された時間で得点につながりやすいところから優先してください。

保護者は定期テスト2週間前に何をすればいい?

テスト2週間前になってもお子さんが動かないと、

「もう2週間前だよ」
「いつ勉強するの?」
「また直前になって困るよ」

と言いたくなることもあると思います。

ただ、本人も

「やらなきゃいけないのはわかっているけど、何から始めればいいかわからない」

状態かもしれません。

そんなときは、

「勉強しなさい」

だけではなく、

「範囲表、一緒に見てみる?」
「ワークあと何ページある?」
「まず15分だけ何からやる?」

というように、最初の行動を具体的にする声かけがおすすめです。

最初の15分だけ一緒に、

  1. 範囲表を見る
  2. ワークの残りページを見る
  3. 今日やるところを決める

まで手伝い、その後は本人に任せる方法もあります。

親が全部計画するのではなく、「本人が動き始めるところまで一緒に整理する」というイメージです。

定期テストの点数だけでなく、提出物も忘れずに確認しよう

中学校の評定は、定期テストの点数だけで決まるものではありません。

現在の中学校では、

  • 知識・技能
  • 思考・判断・表現
  • 主体的に学習に取り組む態度

という3つの観点から学習状況を評価し、それらをもとに各教科の評定がつけられます。

そのため「テストだけできればいい」「ワークだけ提出すればいい」と単純に考えるのではなく、普段の学習も含めて取り組むことが大切です。

特に学校から提出を求められているワークや課題は、期限を確認しておきましょう。

定期テスト2週間前の勉強法で大切なのは「できない問題を減らすこと」

ここまでいろいろな方法を紹介しましたが、定期テスト2週間前からの勉強で最も大切なことはシンプルです。

「できない問題を見つけて、テストまでにできる問題へ変えること」

です。

そのために、

  1. 範囲を確認する
  2. ワークの残りを確認する
  3. 1周目で○△×をつける
  4. △と×を解き直す
  5. 最後に見ないでできるか確認する

という順番で進めてみてください。

ワークをきれいに埋めることが目的ではありません。

「答えを見ずにできる問題が増えたか?」

を基準にすると、勉強のやり方が変わってきます。

定期テスト2週間前の勉強法についてよくある質問

定期テストの勉強は本当に2週間前からでいいですか?

2週間前はひとつの目安です。

ワークの量が多い、苦手教科が多い、部活で時間が取れない場合は3週間前など、早めに始めて構いません。

大切なのは「2週間」という数字に合わせることではなく、解き直しまでできる時間を確保することです。

2週間前なのにテスト範囲がまだ出ていません。何を勉強すればいいですか?

前回のテスト範囲の次から現在の授業までを目安に、学校ワークを習ったところまで進めましょう。

英単語や漢字なども先に始められます。

正式な範囲表が出たら、そこで改めて残り量を確認してください。

学校ワークはいつまでに終わらせればいいですか?

できればテスト直前まで1周目を引っ張らず、その後に間違えた問題を解き直す時間を残しておきたいところです。

この記事では、9~6日前を目安に1周目に区切りをつけ、残り期間を△・×の解き直しに使う流れを紹介しています。

ただし、ワークの量や学校の進度によって調整してください。

ワークは何周すればいいですか?

回数だけで決める必要はありません。

1周目で○△×をつけ、2周目以降は△と×を中心に進めます。

3周することより「間違えた問題を最後に自力で解けるようになったか」の方が重要です。

定期テスト2週間前なのに全然勉強していません。間に合いますか?

まずワークの残りページと使える時間を確認してください。

全部を完璧にしようとするのではなく、提出物、基本問題、間違えた問題、暗記分野の順に優先順位をつけます。

「もう遅い」と考えるより、今日できる1ページから始めることが大切です。

テスト勉強は1日何時間すればいいですか?

必要な時間は、学年、現在の理解度、ワークの残量、部活や習い事などによって変わります。

一律に「○時間やれば大丈夫」と考えるより、

「テストまでに何をできるようにする必要があるか」
「今日はそのために何を終わらせるか」

から時間を決めた方が実行しやすくなります。

まとめ|定期テスト2週間前からは「ワークを終える」より「できるようにする」

定期テスト2週間前になったら、まず次の順番で進めてみましょう。

  1. テスト範囲と提出物を確認する
  2. 学校ワークの残りページを確認する
  3. 14~10日前はワークを進めながら○△×をつける
  4. 9~6日前を目安に1周目に区切りをつける
  5. 5~3日前は△と×を中心に解き直す
  6. 2日前~前日は暗記と苦手部分の最終確認をする
  7. 最後は「見ずに・自力で」できるか確認する

定期テスト勉強で大切なのは、

「何時間勉強したか」
「ワークを何周したか」

だけではありません。

昨日できなかった問題が、今日は自力でできるようになったか。

そこを確認しながら進めることが大切です。

もし、

「どこからわからなくなったのかわからない」
「ワークを開いてもほとんど解けない」
「計画を立てても一人ではなかなか進められない」

という場合は、今の学年の内容だけでなく、その前の単元に「わからない」が残っている可能性もあります。

家庭教師のあすなろでは、勉強が苦手なお子さんほど取り組みやすいように、学校の授業を活かした予習・復習や、一人ひとりのつまずきに合わせた勉強のやり方を一緒に考えています。

テスト前になるたびに「何からやればいいかわからない」と困ってしまう場合は、勉強時間を増やす前に、今のお子さんに合った勉強の進め方から見直してみてください。

ワークをやっているのに点が取れないのはなぜ?解き直しのやり方

「学校のワークはちゃんとやっています」

「テスト前には3周しているのに、なぜか点数が上がりません」

「勉強していないわけではないのに、どうして結果につながらないの?」

中学生のお子さんを見ていて、こんな疑問を感じている親御さんも多いのではないでしょうか。

ワークを何ページもやって、ノートにもたくさん書いている。それなのにテストになると解けない。

この場合、勉強量が足りないとは限りません。

大切なのは、ワークを「やったか」ではなく、テスト本番で「何も見ずに自力で解けるようになったか」です。

ワークは提出するために終わらせるだけではなく、「できる問題」と「まだできない問題」を見つけ、できなかった問題を自力で解ける状態に変えるために使うと、テスト勉強としての意味が大きく変わります。

この記事では、ワークをやっているのに点が取れない中学生に多い原因と、今日からできる解き直しの方法を具体的に紹介します。

ワークをやっているのに点が取れない原因は「やった」と「できる」が同じになっていること

まず確認したいのは、「ワークを終わらせた=その問題を解ける」ではないということです。

たとえば、次の3人は全員「ワークを1ページ終わらせた」状態です。

  • 教科書や答えを確認しながら1ページを埋めた
  • 自力で解き、間違えた問題に赤で正解を書いた
  • 自力で解き、間違えた問題をあとでもう一度解いた

見た目では、どれも同じ「1ページ終了」です。

でも、テスト本番では教科書や解答を見ることはできません。

だからこそ、

「見れば分かる」

「答えを見れば納得できる」

という状態から、

「何も見なくても自分でできる」

という状態まで持っていく必要があります。

ワークをやっているのに点が取れない6つの原因

1.教科書や答えを見ながらワークを埋めている

分からない問題があるたびに教科書や解答を確認し、そのままワークに書き込んでいないでしょうか。

もちろん、分からないことを調べるのは悪いことではありません。

問題は、「調べて書いたあと、自分だけでもう一度できるか」を確認していないことです。

答えを見れば「そうだった」と思えても、翌日には出てこないことがあります。

特にテスト前に提出物を急いで終わらせようとすると、

問題を見る

↓

分からない

↓

答えを見る

↓

書く

↓

次の問題へ進む

という「埋める作業」になりやすくなります。

この状態では、ワークは進んでいても「自力で答えを出す練習」が十分にできていません。

2.丸付けをして、赤で答えを書いたら終わっている

ワークを解いたあとに丸付けをする。

ここまではできていても、間違えた問題に赤ペンで正しい答えを書いて終了しているケースがあります。

しかし、赤で正解を書けたことと、自力で正解できることは別です。

たとえば数学なら、答えが「x=6」だと分かっても、次のことまで確認する必要があります。

  • なぜその式になるのか
  • どこで計算を間違えたのか
  • 次に同じ問題が出たら自分で解けるのか

丸付けは「勉強の終了」ではありません。

むしろ、「ここから何を復習するかを決めるスタート地点」と考えた方がよいでしょう。

3.「3周すること」が目的になっている

「学校ワークは3周した方がいい」と聞いたことがある方も多いと思います。

ただし、3周すれば自動的に点数が上がるわけではありません。

1周目も全部解く。

2周目も全部解く。

3周目も全部解く。

これでは、すでにできる問題にも何度も時間を使うことになります。

一方で、本当に時間をかけたい「間違えた問題」への復習が薄くなってしまうことがあります。

大切なのは周回数ではなく、「1周目でできなかった問題が、次に自力でできるようになったか」です。

4.できる問題ばかり繰り返している

スラスラ解ける問題は気持ちよく進められます。

反対に、分からない問題や何度も間違える問題は時間もかかります。

そのため無意識に、次のような勉強になっていることがあります。

  • できる計算問題ばかり解く
  • 覚えている英単語ばかり確認する
  • 得意な単元から進める

でも、テストの点数を上げるために優先したいのは、すでにできる問題より「もう少しでできそうな問題」です。

ワークを使って、自分の弱点を見つけることが重要です。

5.「分かった」で止まり、「自力で思い出す」練習が少ない

解説を読んで、

「ああ、そういうことか」

「これなら分かる」

と思った経験は誰にでもあります。

ただ、テストで必要なのは「見て理解できる力」だけではありません。

問題を見たときに、必要な知識や解き方を自分で思い出す必要があります。

学習研究でも、単に読み返すだけではなく、覚えた内容を自分で思い出す練習を行う「検索練習(retrieval practice)」は、記憶の定着につながる学習方法として研究されています。

だからワークでも、

解説を読む

↓

解説を閉じる

↓

最初から自分でやってみる

までをセットにすることが大切です。

6.今のワークより前の単元につまずきが残っている

解き直しを何度しても同じところで止まる場合は、ワークのやり方だけが原因とは限りません。

たとえば数学の方程式で間違いが多い子が、実は小学校の分数計算につまずいていることがあります。

英語の現在形・過去形で混乱している子が、be動詞と一般動詞の違いを整理できていない場合もあります。

この状態で今のテスト範囲だけを何周しても、なかなか自力で解けるようになりません。

「何回やってもできない」ときほど、同じ問題を繰り返すだけでなく、どこから分からなくなったのかを確認することが大切です。

まずはワーク1ページで「○・△・×」をつけてみよう

ワークの使い方を変えるなら、いきなり全部変える必要はありません。

まず1ページだけ、次の方法でやってみてください。

  • ○:何も見ず、自力で正解できた問題。基本的には次へ進む
  • △:正解したけれど迷った、時間がかかった、ヒントを見た問題。翌日もう一度解く
  • ×:間違えた、分からなかった問題。解説を確認して解き直す

ポイントは、「答えが合っていたか」だけで○をつけないことです。

偶然当たった問題や、かなり迷って正解した問題は△にします。

これだけで、

「ワーク30ページ終わった」

という見方から、

「自力でできない問題が12問ある」

という見方に変わります。

すると、次に何を勉強すればいいかが分かりやすくなります。

丸付けは1ページごとにする

ワークを10ページ、20ページと進めてからまとめて丸付けをすると、「なぜこの答えを書いたのか分からない」という状態になりやすくなります。

おすすめは、1ページ終わるごとに丸付けをすることです。

解いた記憶が残っているうちなら、間違えた理由も確認できます。

  • 計算ミスだった
  • 問題文を読み違えた
  • そもそも公式を覚えていなかった
  • 解き方がまったく分からなかった

同じ「×」でも、原因によって次にやることは違います。

解き直しは「答えを隠してもう一度」が基本

間違えた問題では、最初に解説を読んでも構いません。

ただし、そこで終わらせないことがポイントです。

たとえば数学で、

2x+5=17

という問題を間違えたとします。

解説を読んで「x=6」と分かったら、赤ペンで「6」と書いて終了するのではなく、一度答えを隠します。

そして、

2x+5=17

2x=12

x=6

と、最初から自分で再現します。

ここまでできて初めて、その問題は「できる」に近づきます。

もし途中でまた分からなくなったら、まだ×のままです。

もう一度解説を確認して構いません。

「一度で覚えなければダメ」ではなく、自力で再現できるまで確認することが大切です。

「翌日もう一度」がワークの効果を変える

解説を読んだ直後は、答えを覚えているため解けることがあります。

そこでおすすめなのが、翌日に△と×だけをもう一度解く方法です。

その場ではできた。

でも翌日にはできなかった。

この問題こそ、テスト前にもう一度確認したい問題です。

逆に、翌日も何も見ずに解けた問題は、かなり定着してきたと判断できます。

「昨日できなかった問題だけ、今日もう一度」なら、勉強が苦手な子でも取り組む量を絞りやすくなります。

ワーク3周はこう変える|全部を3回やらなくてもいい

ワークを3周するなら、回数ではなく役割を変えてみましょう。

1周目|できる・できないを見つける

全体を解いて、○・△・×に分けます。

1周目の目的は「全部覚えること」ではなく、自分がどこでつまずいているかを見つけることです。

2周目|△と×を中心に解き直す

1周目で○だった問題は基本的に飛ばし、△と×に時間を使います。

解説を確認したら、答えを閉じてもう一度自分で解いてみます。

3周目|本当に自力で解けるか確認する

まだ残っている△と×を、何も見ずに解きます。

「3周したのに点が取れない」という場合は、何周したかではなく、2周目・3周目で何をしていたかを確認してみてください。

5教科別|点数につなげるワークの使い方

教科によって、「自力でできる」の確認方法は少し違います。

国語

解答を読んで「なるほど」と納得しただけで終わらないようにしましょう。

なぜその答えになるのか、本文のどこが根拠になるのかを自分で探してみます。

数学

解説を見ながら途中式を書くだけではなく、解説を閉じた状態で最初から解いてみます。

答えだけではなく、途中式まで自分で再現できるか確認しましょう。

英語

教科書を見ながら英文を書くのではなく、日本語だけを見て英単語や英文を書けるか確認します。

「見れば分かる」ではなく「自分で書ける」までが目標です。

理科

用語を読んで覚えたつもりになるだけではなく、問題を見て用語を答えられるか確認します。

できれば「なぜそうなるのか」まで自分の言葉で説明してみましょう。

社会

教科書を何度も眺めるだけではなく、答えを隠して自分で思い出します。

歴史なら、用語だけでなく「その前後に何が起きたか」まで説明できると理解が深まります。

5教科に共通しているのは、「見れば分かる」で終わらず、「見なくてもできる」まで確認することです。

親御さんは「何ページやった?」より、ここを確認してみてください

お子さんが机に向かっていると、

「今日は何ページやったの?」

「ワーク何周目?」

と聞きたくなると思います。

もちろん進み具合の確認も必要ですが、点数につなげたいときは少し質問を変えてみてください。

  • 「今日、できなかった問題はどれ?」
  • 「昨日間違えた問題、今日はできた?」
  • 「答えを見ないでもできそう?」
  • 「ねえ、それ、私にも説明してみて?」

特に「私にも説明してみて?」という質問はおすすめです。

人に説明しようとすると、

  • 分かっているところ
  • 曖昧なところ
  • 言葉にできないところ

が見えやすくなります。

親御さんがその問題を教えられなくても構いません。

「説明を聞く役」になるだけでも、お子さん自身が理解度を確認できます。

実際によくある「ワークはやっているのに…」という相談

家庭教師のあすなろには、

「勉強時間はしっかり確保しています」

「ワークも何周かしています」

「それなのにテストになると点数が取れません」

というご相談があります。

こうした場合、最初から「もっと勉強時間を増やしましょう」と考えるわけではありません。

まず確認したいのは、その勉強時間の中で何をしているかです。

ワークを3周していても、

  • 答えを見ながら進めている
  • 赤で正解を書いて終わっている
  • 同じ得意問題を何度も解いている
  • 間違えた問題を翌日に確認していない

のであれば、勉強時間を増やす前にワークの使い方を変えた方がよい場合があります。

一方で、自力で解き直してもできない問題が多いなら、今の単元より前まで戻った方がよい可能性があります。

つまり、「ワークをやっているのに点が取れない」という同じ悩みでも、必要な対策は一人ひとり違います。

何度解き直してもできないときは「戻り学習」のサインかも

次のような状態が続く場合は、ワークの周回数を増やすだけでは解決しにくいことがあります。

  • 基本問題でも毎回同じところで止まる
  • 解説を読んでも意味が分からない
  • 途中式を自分で作れない
  • 英語で基本的な語順から迷っている
  • 前に習った内容を使う問題になると急に解けなくなる

この場合、「今の単元をもっと頑張る」より、つまずいたところまで戻って確認した方が近道になることがあります。

たとえば現在中2でも、中1の内容に戻って構いません。

数学なら小学校の分数や割合まで戻ることもあります。

勉強では前に習った内容の上に新しい内容が積み重なっていくため、土台の部分を整理すると、その後の問題が分かりやすくなることがあります。

今日からやるなら「ワーク1ページ」だけでOK

ここまで読むと、「全部のワークのやり方を変えなきゃ」と思うかもしれません。

でも、最初から全部変える必要はありません。

今日やるなら、1ページだけで十分です。

  1. ワークを1ページ、何も見ずに解く
  2. 終わったらすぐ丸付けする
  3. ○・△・×をつける
  4. △と×だけ解説を確認する
  5. 答えを隠して、もう一度解く
  6. 翌日、△と×をもう一度やる

まずはこれだけです。

「ワークを終わらせる勉強」から、「できない問題を、できる問題に変える勉強」へ。

少しずつ変えていきましょう。

ワークをやっているのに点が取れないときのよくある質問

ワークは何周すれば点数が上がりますか?

「必ず○周すれば点数が上がる」という回数はありません。

大切なのは、最初に間違えた問題を最終的に自力で解けるようになったかです。

1周目でほとんど自力正解できる子と、多くの問題でつまずく子では必要な回数も違います。

周回数より、△と×がどれだけ減ったかを確認しましょう。

分からない問題は答えを見てもいいですか?

見ても構いません。

分からない状態で長時間止まり続ける必要はありません。

ただし、答えや解説を見た問題には△や×をつけ、最後に必ず答えを隠してもう一度自力で解いてみてください。

ワークを3周しても点数が上がらないのはなぜですか?

3周とも同じやり方をしている可能性があります。

特に、答えを覚えた状態で繰り返しているだけだと、少し問題の聞き方が変わっただけで解けなくなることがあります。

3周目では、何も見ずに解く、時間を測る、少し違う問題でも解けるか確認する、といった方法に変えてみましょう。

親はどこまでワークを確認した方がいいですか?

全部の答えをチェックする必要はありません。

「×が残っていないか」「翌日に解き直しているか」「答えを見ずにできるか」など、勉強の進め方を確認してあげるとよいでしょう。

解き直してもできない場合はどうしたらいいですか?

その問題より前の単元につまずきが残っている可能性があります。

解説そのものが理解できない場合や、基本問題で何度も同じ間違いをする場合は、現在のテスト範囲だけでなく、前の単元まで戻って確認してみましょう。

まとめ|ワークの目的は「終わらせること」ではなく「できない問題をできるようにすること」

ワークをやっているのに点が取れないとき、すぐに

「勉強時間が足りない」

「もっと何周もしないといけない」

と考える必要はありません。

まず確認したいのは、次の5つです。

  • ワークを自力で解いているか
  • 間違いを赤で直しただけになっていないか
  • ○・△・×で弱点を分けているか
  • △と×を解き直しているか
  • 翌日にも自力で解けるか

ワークは「何ページやったか」を増やすためのものではありません。

自分ができない問題を見つけ、その問題を「自分でできる」に変えるための教材です。

もし、ワークを何度やっても同じところで止まってしまう、どこまで戻ればいいか分からない、勉強しているのに結果につながらないという場合は、一度「何ができていて、どこからできていないのか」を整理してみましょう。

家庭教師のあすなろでは、今の点数だけを見るのではなく、学校のワークや普段の勉強の進め方から、お子さんがどこでつまずいているのかを確認しています。

「もっとやりなさい」と勉強量を増やす前に、その子に合った「点数につながるやり方」を見つけることが大切です。

塾なしでも定期テストで点数アップする勉強法と親御さんのサポート術

中学生になると、ほとんどの友だちは塾に通い始め、「テスト対策」や「受験対策」で忙しそうにしていますよね。
そんな中で、お子さんが塾に通っていないことで、
「塾に通っていないけど、このままでいいかな…?」
「授業についていけてる?」
「点数が悪かったらどうしたらいいの?」
と、不安や焦りを一人で抱えている親御さんは多いです。
でも、安心してください!
たとえ塾に通っていなくても、家での勉強の進め方や親御さんのサポートのやり方で、定期テストをグングン伸ばすこともできるんです。

むしろ、塾なしで 「自分で計画して勉強をちゃんと進められる子」になれたとしたら…
それは高校受験だけではなく、その先の人生にも大きな武器になります。
そこでこのブログでは、塾なしでも定期テストで点数アップする勉強法と親御さんのサポート術をわかりやすく、できるだけ丁寧にまとめました。

親御さんが「手取り足取り教える時間はないのよね…」と感じていても、 プレッシャーなく続けられる方法ですので、どうか、お子さんと一緒に少しずつ取り入れてみてください。

塾なしが不安になるのは、愛情があるから
塾に行っていない理由は、決して 「親がお子さんの勉強のサポートを怠けている」「子どもの学習に無関心」からではありません。
むしろ、
家でできる力を育てたい
子どもの気持ちを尊重している
そんな「考えあっての選択」なのではないでしょうか?
とは言え、そう考えていても心のどこかでは、
  • 勉強量が足りていないかも?
  • 塾に行っている子との差が開いちゃうかも?
  • テスト前は何をどれだけやればいいだろう…?
と、不安になってしまいます。
なぜならそれは、お子さんの将来を想い、悔しい思いや悲しい思いをさせたくないと思うからです。
でも、焦る必要はありません。
塾なしでも、テストで点数が伸びる子には共通点があるので、お子さんの様子はどうか想像しながら、次の項目を読んでみてください。

塾なしでも結果を出せる子に共通する、3つのチカラ


「塾に行っていないけど、テストでもちゃんと点数がとれる」

そんな子には、特別な才能があるのでしょうか?
いいえ、そうではありません。
日々の勉強の中で 自然と身につけた『3つの伸びる力』 を持っているのです。

授業を活用している


塾に行かない場合、学校の授業は【唯一の先取り学習】です。
ですから、授業を
  • 聞き流すか
  • 理解しようとして受けるか

このふたつには大きな差が生まれることは分かるではないでしょうか?
授業中、ちゃんと理解しようとして取り組んでいれば、特別な勉強はいらないのです。

勉強の計画を立てられる

「なんとなく勉強」してても効率が悪く、しかも頭に残りません。
  • いつまでに提出物を終えるか?
  • ワークを何周したらいいか?
こんな風に考えながら勉強を進められれば、きちんと成績は伸びていきます。

「わからない」をそのままにしない

テストで点数を上げる一番のコツは、「新しい問題が解けるようになること」ではありません。
「解けなかった問題を克服する」
「わからないことはその場で解決」
つまり、
目の前の困難に一つひとつ立ち向かっていけるかです。
伸びる子は、これを丁寧にこなし続けています。

塾なしでも定期テストの点数をアップできる『6つのコツ』



ここからは、今日からご家庭で手軽に取り入れられる具体的な勉強法を紹介していきます。
コツコツやることで必ず成績は伸びていきますので、親御さんは毎日勉強を続けられるよう、お子さんをサポートしてあげてください。

①テスト3週間前から「逆算して計画」

定期テストの範囲表がわかったら、まずは次の2つを決めてしまいましょう。
• 提出物はいつ終えるのか?
• ワークは何周するのか??
「毎日◯ページ」は精神的にけっこうな負担になり、続かないことが多いです。
ですから、「◯日までに終わらせる」とゴールを決めてしまいましょう。すると、勉強の進みが安定していきます。

②提出物のワークは3周が鉄則

実は、塾なし家庭で成績を伸ばす子は必ずと言っていいほど、やっている方法がワーク3周です。
  • 1周目:全体を見る
  • 2周目:間違いだけ解き直す
  • 3周目:苦手や間違いをやってみる

この3ステップをこなすと、理解の深さがまったく変わります。理解が進めば進むほど勉強に深みが出て面白くなっていくので、ぜひやってみてください。

③ノートは「見返して理解できるノート」に

ノートに、ただ黒板を書き写すだけでは、テスト前に役立ちません。後で使えるノートにするには工夫が必要です。
  • 赤線をひく
  • 自分で理解した補足説明を加える
  • 例や図を書き込み、一目でわかるように

こんな『自分だけの復習ノート』 にしておけば、テスト前には強力な味方になってくれます。せっかくのノートを活かしましょう。

④英語・国語は必ず音読する

音読の効果は、はかり知れません。たった数分の音読で、
  • 読解力
  • 語彙力
  • 文法の暗記
  • リスニング

この4つを同時に鍛えられるんです。
読む場合、声は大きくなくても大丈夫。口を動かすことに効果があるので、小声でいいので、ゆっくり丁寧に音読していきましょう。

⑤数学・理科は「説明できたら本物」

数学や理科の点数を上げるコツは、考えること。疑問を持つこと。
ただ問題を解くだけは作業になってしまいますが、「どうしてこうなる?」を考え、その解答を求めるようにすると理解度が各段にアップします。ですから、なんとしてもその癖をつけてあげるようにしてください。
  • どうしてこの式になるのか?
  • なぜこの考え方で解けるのか?

親御さんは、このような疑問をお子さんに投げかけ、時には一緒に考えていきましょう。すると理解が深まり、数学も理科も勉強が俄然面白くなっていきます。
そうなれば、点数アップすることは間違いありません。

⑥「勉強できる環境」を用意しよう!

勉強は孤独で辛い作業です。そんな時間に、楽しい誘惑に勝つのは、誰だって難しいです。
ですから、勉強前のスイッチを入れるためにも、遊びに誘われそうなものは親御さんが預かるようにしてください。
もし親御さんが隣にいられない場合でも、
  • スマホは所定の位置におく
  • 机の上は教材だけにする

このようなルールを作っておくと、それだけで集中度は大きく変わります。

塾なしで定期テストに勝つ!短時間で集中力を引き出す工夫

「長時間やらせなきゃ!」と 親御さんが力む必要はありません。
それよりも大事なのは、【短くても濃い勉強】。
そのために今日からできる工夫を紹介しておきます。

とりあえず、『5分だけ』机に座る

人間は弱いもの。「始めること」が一番つらくて重くてイヤなのは、親御さんも経験があるのではないでしょうか?

ですから、まずは5分だけ机に座る習慣をつけましょう。

「たった5分!?」と思っても、一度動き出せば、そのまま集中が続くので、「ここまでやっちゃおう!」と思えます。

科目をローテーションする

20分×3教科のほうが、1時間ぶっ通しより集中が続きます。長時間やるより、短時間でさっと集中できるやり方を習慣にしましょう。


前述しましたが、始める前の気の重さは、勉強を続ける一番の難関。それをすり抜ける工夫が、勉強の終わりを、
あと1問残す。
あと少し、残すこと。
そうすると、次に教科書やワークを開いたときに「あ、ここからだった」と、瞬時に再開できるようになります。
始める前のハードルを少しでも下げておくと、勉強が続きやすくなります。

親御さんだけができる!たった3つのサポート

昨今はどの親御さんも忙しく、お子さんの勉強につきっきりでみてあげる時間なんてとれない方がほとんどです。
で大丈夫。必要なのは、たった3つのこと。
親御さんだけができるサポートを紹介しておきます。

①結果より“過程”を認める声かけを


これは絶対に覚えておいてください。
お子さんを褒めるコツは、ただひとつ。
「何点取ったか」 ではなく

「どう取り組んでいたか?」

これを毎日つけて、褒めあげて欲しいのです。

「昨日より集中できてたね!」
「ワーク3周できたね、すごい!」
子どもはこんな小さな積み重ねで、自己肯定感を育てていきます。
大切なのは、結果ではなく、成長していく過程なのです。

②毎日3分でいいので話を聞く


お子さんとのコミュニケーションは足りていますか?忙しくて、ついつい、向き合う時間がない日はありませんか?
でも大丈夫です。
「今日やったこと」
「明日やること」
このたったふたつのことをお子さんに聞いてあげるだけで…
勉強の習慣が固定して、
自己管理ができるようになる
これは塾以上に価値ある、成長の証です。どんなに忙しくても、これだけは声かけしてあげるようにしてください。

③勉強の計画を一緒に立てる「ひとりで頑張れ」より

何度も書いてますが、勉強は孤独で辛い作業です。ですから、お子さんに「勉強しなさい」と言うのではなく、
「一緒にやろう」と言ってあげましょう。
一緒に勉強の計画を立てて、勉強に集中できるまで、側にいてサポートしてあげてください。
一緒にいたとしても、問題を解くのはお子さん自身。ひとりでテストで解答できるほど理解できているか等を質問して確かめてあげてください。

勉強の型があると毎日、安定してやれる

家庭学習のハードルを下げるには、毎日何をするか決めてしまうことです。
よくある家庭学習の一週間の科目例を紹介しておきます。これを参考に、お子さんがやりやすいような型を作ってしまいましょう。
  • 月:理科+英単語
  • 火:国語+数学
  • 水:社会+英語
  • 木:弱点補強
  • 金:解き直し
  • 土日:テスト向けまとめ

このような、「悩まない仕組み」があるだけで、勉強を続けるハードルはグッと下がります。



塾なしで、子どもの「考えるチカラ」を伸ばしていこう!

塾に通っていても、通っていなくても、勉強に必要なことはこの4つ。
  • 勉強の計画
  • 毎日の復習
  • 勉強できる環境
  • 親御さんのサポート

この4つは、たとえ塾に通っていなくても、家庭の中でできること。むしろ、塾に通っているからと言っても、この4つなしで点数アップは望めません。
ぜひ親御さんのサポートと見守る姿勢で、お子さんの
「自分で考えて取り組む力」
「自分の弱点に向き合う力」
このチカラを育んであげてください。
これは一生役に立つ、何にも代えがたい財産になります。

テストの点数は、毎日の積み重ねでしか伸ばすことはできません。

今日やった5分の書き取り。
今日解いた1問。
今日褒めてもらえた小さな努力。

こうした繰り返しが子どもの自己肯定感を育て、 子どもを強くしていきます。
塾に通わせないことは不安になることもあると思います。でも、子どもを信じて、一生役立つ力を一緒に育てていきましょう。

WISC-Ⅴ「視空間」とは?VSIが低い時の困り事とサポート方法

「地図が読めない」
「片付けや整理整頓がうまくいかない」
「歩いていると周りの物にぶつかりやすい、つまずきやすい」
「絵を描くのが苦手」
「図やグラフの読み取りに時間がかかる」

お子さんにこんな様子が見られるとき、もしかすると視空間指標(VSI)が関係しているかもしれません。

WISC-Ⅴでは、これまで「知覚推理」としてまとめられていた能力が「視空間」と「流動性推理」に分かれ、それぞれをより詳しく評価できるようになりました。その中でも視空間指標(VSI)は、空間を把握したり、図形を頭の中で操作したりする力を表すものです。

今回は、この視空間指標(VSI)が具体的にどんな力なのか、数値が低いとどんな困りごとが起きやすいのか、そして家庭でできる具体的な支援方法まで、わかりやすく解説していきます。


WISC-Vの視空間指標(VSI)とは?

視空間指標(VSI)とは、見た情報を「形」「向き」「位置」などのイメージとして理解する力のことです。図形の特徴をつかんだり、物の位置関係を把握したり、頭の中で形を動かして考える力がここに含まれます。

この力は、

  • 図形やグラフの読み取り
  • 展開図や立体の理解
  • 地図を読む
  • 片付けや位置の把握
など、勉強にも日常生活にも深く関わっています。


視空間指標(VSI)はどんな検査?

WISC-Vでは視空間指標の力を見るために、「積木模様」と「パズル」 の2つの課題が使われます。

積木模様(Block Design)
提示された見本の図形と同じ模様を、色のついた小さなブロックを並べて作るテストです。
この検査では、
  • 形の特徴を正しくつかむ力
  • 模様のどこをどう見るべきか判断する力
  • その形を手を使って再現する力
といった、視覚と空間の理解に必要な力が試されます。

■検査例
見本に「しま模様の正方形」が出されたら、ブロックをどう動かせば同じ模様になるか考えて並べていきます。模様や色の位置をよく観察することがポイントです。

パズル(Visual Puzzles)

こちらは、いくつかのパーツを見ながら、「どの組み合わせで見本の形ができるか」 を頭の中で考えるテストです。
求められる力は、

  • 部分と全体の関係を理解する力
  • 形を頭の中で回したり、組み合わせたりする力(イメージ操作)
  • 必要なパーツを素早く選び出す力
などです。

■検査例
三角形や四角形のパーツを見て、「どのピースをどう組み合わせたら、この見本の形になるのか?」をイメージして答えを選びます。


視空間指標(VSI)から何が分かるの?

視空間指標(VSI)を見ると、こんな「得意・苦手」が分かります。

① 図形や空間を理解する力
展開図・立体・地図など、形や位置関係を扱うときの理解度。

② 見た情報を整理するスピード
どこに注目すればいいか、どの形が正しいかを見分ける速さ。

③ イメージで考える力
頭の中で図形を動かしたり、組み合わせを考えたりする力。

④ 生活面での空間把握

  • よくぶつかる
  • 距離感がつかみにくい
  • 片付けが苦手
といった日常の困りごとも、この力と関係することがあります。


視空間指標(VSI)の数値が高い子どもの特徴

視空間指標(VSI)が高いお子さんは、「見て理解する」「頭の中で形をイメージする」ことが得意なタイプです。
次のような特徴が見られることがあります。

● 図形や空間の理解が早い
立体・展開図・角度など、形を扱う問題の理解がスムーズです。

● パズルやブロック遊びが好き
どんな形ができるか想像したり、組み合わせを考えたりする遊びに強さを発揮します。

● 地図や位置関係の把握が得意
目的地までの道のりや、物の位置関係を理解することに抵抗が少ない傾向があります。

● 手を使った作業が上手
折り紙・模型作り・レゴなど、立体的な構造を考える作業が得意なことも。

● 動きのイメージがしやすい
ダンスの振り付けやスポーツの動きを、見て再現しやすいタイプもいます。


VSIが高いということは、「視覚イメージが理解の中心にある学び方が得意」ということ。この強みは、学習にも日常にも活かすことができます。


視空間指標(VSI)の数値が低い子のよくある困りごと

VSIの数値が低いお子さんは、形・位置・距離感などの「空間的な情報」の処理がやや負担になりやすい傾向があります。
ここでは、日常と学習に分けて具体的に紹介します。

日常生活編
① よくぶつかる・距離感がつかみにくい
机や壁、友達にぶつかりやすかったり、狭いところを通るのが苦手なことがあります。
「どれくらい離れているか」を感覚でつかみにくいためです。

② 片付けや整理整頓が難しい
物の位置関係やどこに置くと使いやすいかがイメージしにくく、片付けに時間がかかったり、散らかりやすくなりがちです。

③ 衣服の前後・裏表を間違えやすい
洋服をひっくり返したときに「どちらが前?」と迷ったり、靴を左右逆に履いてしまうことがあります。

④ 図形やイラストを写すのが苦手
絵を描くときに形が歪んだり、模写がうまくいかないことがあります。見たものを「そのまま頭にとどめて再現する」負担が大きいためです。

⑤ 空間での動作がぎこちない
跳び箱や縄跳び、ダンスなど「動きの位置関係」をとらえる場面が苦手に感じやすくなります。

学習編
① 図形問題が極端にむずかしく感じる
展開図、立体、角度など、空間をイメージする必要がある問題でつまずきやすい傾向があります。

② グラフ・表・地図の読み取りに時間がかかる
どこを見ればいいか分からなかったり、情報を整理するのに負荷がかかりやすいです。

③ 書いたものがずれやすい(マスに収まらない)
ノートのマスの中心に書くのが難しかったり、文字の大きさが安定しないことがあります。

④ 手順をまとめて理解するのが苦手
複数の情報を同時に処理しにくいため、数学の式変形や図形の作図など「ステップの多い作業」で混乱しやすくなります。

⑤ 見て真似する作業がむずかしい
黒板の図を写す、先生の手本を見て工作する、といった場面で時間がかかることがあります。



視空間指標(VSI)の数値が低い子のサポート方法

VSIが低めのお子さんは、「見ればわかるでしょ?」と周りが思うような場面でも、実は情報量が多すぎて混乱してしまっていることがよくあります。
ここでは、日常生活と学習場面に分けて、学校・家庭でできるサポートを紹介します。

日常生活編
① 視覚情報は「シンプル+言葉で補う」
  • イラストや図、マークはできるだけシンプルに
  • ごちゃごちゃしたデザインより、はっきりした線・見やすい色合いにする
そのうえで、
「ここが朝の支度セットだよ」
「この写真の順番で片付けようね」
というように、言葉で補足してあげると理解しやすくなります。

② 片付け・探し物は「視覚的な構造化」で支える

  • よく使う物どうしを同じ場所にまとめる
  • ラベルや色を決めておく(例:文房具は青、学校関連は緑 など)
  • 片付け完了の状態を写真に撮り、その写真を目印として貼っておく
こうした「見れば、どこに何があるか分かる仕組み」は、
片付けが苦手なお子さんの大きな助けになります。

③ 一度にたくさん言わない・見せない
VSIが低い子は、一度に多くの視覚情報が入ってくると混乱しやすい傾向があります。

  • やることリストは「1枚に全部」ではなく、付せんに1つずつ書く
  • 終わったら、はがしていく
  • 写真カードやイラストも、今必要なものだけを見せる
このように「ひとつずつ」提示することで、見通しが立ちやすくなります。

④ 手順を「見える形」にしておく

  • 朝の支度の流れを写真カードで並べておく
  • 帰宅後の流れ(手洗い→ランドセル→宿題…)をイラストで示す
など、行動の順番を視覚的に示すと、毎回ゼロから考えなくてよくなり、失敗経験も減っていきます。

学習編
① 視覚情報を整理して「どこを見るか」をはっきりさせる
図・表・グラフ・文章を読むときは、情報を整理してあげることが大切です。
  • 重要なところだけ色ペンで線を引く
  • 見る順番を番号で示す(グラフだったら①X軸(横軸)→②Y軸(縦軸)など)
  • 「まずここだけ見るよ」「次はここね」と視線の誘導をする
例えば英語文なら、主語と動詞に赤線…というように色分けして、「今は赤いところだけ見ようね」と焦点を絞ってあげると、頭の中で処理しやすくなります。

② 情報をひとつずつ処理できるようにする

  • 問題文全部を一気に読ませるのではなく、1文ごとに区切る
  • 図形の問題も、①線を引く → ②印をつける → ③角度を書く…と分けて指示する
「全部いっぺんに理解してね」ではなく、小さなステップに分けて考えられるようにすることがポイントです。

④ 板書・ノートは「補助ツール」で負担を減らす

  • サンプルノートを見せて、どんなレイアウトで写せばいいか示す
  • 必要に応じて、板書内容を印刷したプリントを配る
  • 写真撮影を許可し、「あとで一緒に整理しようね」と安心させる
「書き写すこと」にエネルギーを使いすぎると、中身の理解に使える力が残らなくなってしまいます。板書やノートについての支援は、ズルではなく大事な合理的配慮です。

⑤ 表現方法を切り替えて、理解の入り口を増やす

  • 口頭説明だけでなく、ジェスチャー・実物・絵を組み合わせる
  • 言語理解が強い子には、図だけでなく言葉での説明を厚めにする
「視覚情報+言葉+実物」など、複数のチャンネルから情報が入るようにすることで、理解しやすい形を見つけてあげることができます。



視空間指標(VSI)の伸ばし方

視空間指標(VSI)は「見たものを理解する力」「形や位置をイメージする力」のため、
体験しながら育てる方法がとても効果的です。

WISC-VのVSIが低めだったとしても、日常の遊びや活動の中で自然に伸ばしていくことは十分可能です。ここでは、お家でも学校でも取り入れやすい方法を紹介します。

① パズル遊びで「形のパターン」をつかむ力を伸ばす
パズルは視空間能力を育てるための代表的なトレーニングです。

● ジグソーパズル
ピースの向きを考えたり、全体の中でどこに入るか探すことで、形の特徴を捉える力が育ちます。

● 3Dパズル(ルービックキューブなど)
回転・移動・位置の感覚が必要になるため、立体認知が自然に鍛えられます。

② ブロック遊びで「空間の構造を理解する力」を育てる
レゴやナノブロック、積み木、プラモデルなどの“組み立て遊び”は、VSIを伸ばすのに非常に効果的です。

● 見本のモデルを作る
レゴの説明書やプラモデルの組み立て図を見ながら、同じものを作る活動です。
「図を読み取る → 必要なパーツを探す → 同じ形を再現する」という一連の流れが、空間認知を自然に鍛えます。

● パターンを再現する遊び
積み木で見本の形(階段、L字、タワーなど)をそのまま真似して作る遊びです。
色や形、並びを観察しながら配置することで、位置関係をつかむ練習になります。

③ 図形描写・アートで「形を扱う力」をやさしく強化
絵を描いたり図形を写したりする作業は、形の特徴を丁寧に見る練習になります。

● 模写やトレース
好きなキャラクター、アイコン、シンプルな図形などを見本にして模写したり、トレーシングペーパーでなぞったりするだけでも「形を見る力」「線を再現する力」が育ちます。

● コラージュやデザイン
色紙を「丸・三角・四角」などいくつかの形に切って、家・魚・ロボット・花など、ひとつの絵を作るように組み合わせて貼る活動です。
パーツの位置や並び方を考えることで、空間のバランス感覚が自然に鍛えられます。

④ 日常生活の中でもVSIは伸ばせる!
生活の中にも視空間機能を使う場面がたくさんあります。

● 料理
切り方・配置・盛り付けなど、実は空間認知の宝庫です。お母さんが切ったお手本と同じくらいの大きさで切ってね、や、完成写真みたいに盛り付けてね、など、お子さんの手を借りながら楽しくトレーニングできます。

● 地図を読む
家から公園までの道を一緒に地図で確認してから歩く、という経験も良いトレーニングになります。

● 工作
ハサミ・のり・折り紙など、手で形を扱う活動は空間イメージ力を育てます。

⑤ 視覚認知ゲームで「探す力」「パターン認識」を鍛える

● 神経衰弱
視覚記憶や位置の把握が必要になります。

● 探し絵・ウォーリーを探せ
「似ているけれど違うものを見分ける」視覚探査能力が伸びます。

⑥ 体育・ダンスなど身体を動かす活動も効果的
VSIは「目」と「体の動き」が連動することで育つ力でもあります。

● 球技
ボールの軌道を予測する力は空間認知に直結します。

● ダンス・体操
動きの順序や位置関係を理解する必要があり、イメージ力を養います。

⑦ ビジョントレーニングで「見る力そのもの」を底上げする
視空間指標(VSI)を伸ばすうえで欠かせないのが、「見る力」そのものを育てるビジョントレーニングです。
ここでいう「見る」とは、単に視力だけの話ではありません。

● ビジョントレーニングにおける「見る」とは
① 目でモノをとらえる(視力)
② 脳でその情報を理解する(視覚認知)
③ 動作や言葉で表現する(アウトプット)
この ①〜③ がスムーズにつながっている状態を育てることが、ビジョントレーニングの目的です。


家庭でできるビジョントレーニング5選

① けん玉
玉の動きを目で追いながらキャッチすることで、動体視力・空間認知・集中力が鍛えられます。ゲーム感覚で取り組めるのがポイント。

② かるた
読み札を聞いて素早く絵札を探すことで、瞬時の判断力・視覚処理・反射的な動きが育ちます。競争形式にすると集中力UP。

③ ティッシュキャッチ
落ちてくるティッシュをキャッチするだけの簡単な遊び。不規則な動きを追うため、動体視力・反射神経を鍛えられます。

④ 色探しゲーム
「赤い物を探して!」など身の回りから色を素早く見つける遊び。観察力・注意力・視覚情報の取捨選択を育てます。

⑤ まねっこゲーム
相手の動きをよく見て真似することで、見た情報を体の動きに変換する力が身につきます。スピードを上げて難易度調整も可能。



まとめ

視空間指標(VSI)が低いお子さんは、図形・地図・グラフの理解、運動での距離感、片付けや手元の作業など、学校生活や日常のさまざまな場面でつまずきを感じやすい傾向があります。

でもその背景には、「見えた情報をどう整理するか」「どう理解するか」 の特徴があるだけで、決して できない子 という意味ではありません。

大切なのは、その子の「見え方」「理解の仕方」に合った環境やサポートを用意してあげることです。

視覚情報をシンプルにしたり、手順をひとつずつ分けて伝えたり、実際に手を動かして体験できる機会を増やしたり…。そうした小さな工夫が、お子さんの安心と自信につながっていきます。

ブロック・図形遊び・ビジョントレーニングなど、楽しみながら視空間の力を高められる方法もたくさんあります。無理のない形で、できることから日常生活に少しずつ取り入れてみてくださいね。

WISC-Ⅴ「流動性推理」とは?FRIが低い時の困り事と支援策

「急な予定変更やルールの変更が苦手」
「新しい場所や活動の前に、不安が強くなる」
「こだわりが強すぎて、うまくいかない時に他の方法へ切り替えられない」

こんなお子さんの様子に、心当たりはありませんか?
もしかすると、それはWISC-Ⅴの指標のひとつである流動性推理(FRI)が関係しているかもしれません。
今回は、流動性推理(FRI)とはどんな力なのか、そしてFRIが低いときに起こりやすい困りごとや、周りができるサポートについて、わかりやすくお伝えしていきます。

流動性推理(FRI)とは何か?

流動性推理(FRI:FluidReasoningIndex)とは、初めて向き合う課題や新しい状況に対して、目の前の情報を手がかりに、パターンやルールを見つけて解決方法を考える力のことです。
たとえば、パズルの中から法則性を見抜いたり、見慣れない問題でも「こうかな?」と推測しながら答えに近づいたりする力のことです。この力は、子どもの学習だけでなく、生活の中でもとても大切な認知機能のひとつです。

この流動性推理は、知能検査WISC-Ⅴにおいて「抽象的に考える力」「論理的に筋道立てて考える力」「関連性を見つける力」を測るための指標として使われています。

以前のWISC-IVでは「知覚推理(PRI)」の中にまとめて評価されていましたが、それだけでは「目で見た情報の理解が苦手なのか」「情報をもとに考えることが苦手なのか」がわかりづらいという課題がありました。
そこでWISC-Ⅴでは、知覚推理(PRI)を視空間(VSI)と流動性推理(FRI)に分けて評価することで、子どもの得意と苦手をより正確に理解できるようになったんです。

どうやって流動性推理(FRI)を調べるのか

流動性推理指標(FRI)を測るために、WISC-Vでは主に「行列推理」と「バランス」という2つの課題を用います。

行列推理

いくつかの図形や模様が並んでおり、その中にある「共通するルール」を見つけ、抜けている部分に当てはまる図形を選ぶ問題です。例えば「形が少しずつ変わっている」「色が決まった順番で増えている」といった法則を読み取ります。
この課題では、見たものをもとにパターンを見抜く力や、抽象的に考える力が使われます。

バランス

天秤のイラストを見て「どの図形をのせたら釣り合うか?」を推測します。形の大きさや置かれている位置から見えない「重さ」の関係を考えます。
この課題では、数や量の感覚、論理的な思考、目で見た情報を整理する力が必要となります。

どちらの課題も「ただ暗記していればできる」ものではなく、その場で手がかりを集めながら考える力が求められます。



「流動性推理が低い」とは、どういうことか?

新しい問題に直面した時に、柔軟に考えたりパターンを見つけたりするのが少し難しい傾向がある、
ということです。

具体的には、

  • 初めての問題に取りかかったとき、どう考えれば良いのか戸惑いやすい
  • 解き方がすぐに思い浮かばず、解答までに時間がかかることが多い
  • 一度「このやり方」と決めた方法にこだわり、うまくいかなくても別の方法へ切り替えづらい
といった様子が見られます。

また、目に見えないルールや関係性を読み取ることが難しいため、与えられた情報を整理して推論することに負担を感じる場面が増えます。

その結果、

  • 算数の文章題で、いつもと違う解き方が必要なときにつまずいてしまう
  • 行き詰まった際に「他の方法を試す」という考えになりにくい
といった状況が起こりやすくなります。

ただし、ここで大事なのは、
これは性格でも努力不足でもなく「認知の特徴」
ということです。
お子さんは「できない」わけではなく「どう考えたらいいかが、つかみにくいだけ」なんです。




「流動性推理が低い」と、何に影響するの?


学習面への影響

流動性推理が低いお子さんは、学校の学習の中でつまずきやすい場面が出てくることがあります。

特に数学や理科など、新しい考え方や抽象的な内容を理解する必要のある教科では、理解までに時間がかかったり、なかなかピンとこないことがあります。

例えば、習った公式を別の場面に応用したり、複数のステップを踏んで解く問題に取り組む際に「どうやって進めたらいいんだろう?」「何を求めればいいのかわからない…」と、立ち止まりやすい傾向があります。そのため、

  • 文章題の中から、必要な情報を拾い集めるのが難しい
  • 問題に隠れている規則性や関係性に気づきにくい
  • 一度習ったやり方以外の方法を思いつきにくい
といったことが起こりやすくなります。

このような経験が重なると、「自分はできない」と感じやすくなり、自己肯定感が下がってしまうことがあるため、注意が必要です。


日常生活への影響

流動性推理の低さは、勉強だけでなく日常生活の中でも現れることがあります。

  • 予定が急に変わると混乱しやすい
  • 初めての場所や初めての体験に不安が強く出る
  • 一度決めた方法にこだわり、やり方を変えることがむずかしい

といった様子が見られることがあります。
「見通しを立てること」や「状況に合わせて柔軟に動くこと」が難しいため、いつもと違う状況になると「どうしたらいいのか」が分からなくなってしまうのです。

こうした経験が積み重なると「自分はできない」「やってもどうせうまくいかない」といった思いが強くなり、新しいことへ挑戦する意欲が落ちてしまうこともあります。
そのため、お子さんの気持ちに寄り添いながら、安心して試行錯誤できる環境を整えることがとても大切です。





ご家庭でもできる支援策

流動性推理そのものを「無理に伸ばそう」と頑張りすぎる必要はありません。

大切なのは、この特性を持つお子さんが『どんな場面で困りやすいのか』を理解することです。

そして、日常の中で「困りごと」を少しずつ減らしていく工夫を積み重ねることが、お子さんの安心や自信につながります。

苦手な分野だけに注目するのではなく、その子が持っている「好き」「得意」「こだわり」「強み」を活かしながらサポートすることも大切です。強みを軸にすれば、学びやチャレンジはうまく回りやすくなります。

では、ご家庭でどのようにサポートすればよいのかをお伝えします。

①ステップを踏んだ教え方

問題を解くときに、いきなり「自分で考えてみてね」と丸投げするのではなく、「どこから始めれば良いか」「どんな流れで考えれば良いか」を、あらかじめ一緒に確認しておきます。

例えば、算数の応用問題なら…

  • まず何を求める問題なのかを確認する
  • そのために使う数字・情報を見つける
  • どの公式(考え方)を使うか選ぶ
  • 実際に計算する
というように、手順をひとつずつ言葉で整理して伝えていきます。
焦らせず「ゆっくりでいいよ」と伝えることも大切です。順序立てて考える練習が積み重なると、お子さんは「考え方のコツ」を少しずつつかみやすくなります。

②具体物や視覚的サポートの活用

抽象的な内容を頭の中だけで処理するのは負担が大きいので、「見てわかる形」に置き換えてあげる工夫が効果的です。

  • ブロックやおはじきで数量関係を示す
  • 図・表・矢印を使って問題の流れを整理する
  • メモ用紙に「考えの途中」を書き出せるようにする

目で見て理解できる形にすると「何をどう考えればよいのか」がぐっとわかりやすくなり、お子さんの不安や混乱も軽減されやすくなります。

③パターン認識遊びやゲームで楽しく力を育てる

勉強だけでなく、遊びの中で自然に推理力を育むこともできます。

  • 交互・規則性を作って遊ぶ「色ビーズ並べ」
  • 図形や仲間わけカード遊び
  • パズル・迷路・論理パズルゲーム

ポイントは、最初は簡単なものから始め、できたらしっかり褒めること。成功体験が「考えることって楽しい」という気持ちにつながります。

④自由な発想を促す問いかけ

正解をひとつにしぼらず、お子さんの「自分の考え」を引き出す声かけが効果的です。
「あの雲、何に見える?」
「どうしてそう思ったの?」(興味を持って)
こうしたやりとりは、お子さんが自分の考えを言葉にし、頭の中を整理する力を育てます。

⑤失敗を責めず、試行錯誤を応援する

うまくいかなかった時に、
×「なんでできないの?」
ではなく、
〇「ここまで考えたんだね」「その工夫いいね」
過程を肯定する声かけがとても大切です。
「やってみたらいいんだ」「間違えても大丈夫なんだ」という安心感は、思考の柔軟さを育む土台になります。

⑥成功体験を積ませる

難しい問題ばかりだと、自信がすぐに折れてしまいます。
お子さんのペースに合わせ、課題の量・難易度・ヒントの出し方を調整してあげてください。
「できた」「わかった」という小さな成功の積み重ねが、自己効力感(自分はできるという感覚)を育て、次への意欲につながります。



流動性推理が低かった時の心構え


「低い=ダメ」という意味ではありません

流動性推理が低いと聞くと、ショックを受けてしまう保護者の方も少なくありません。ですが、この数値はお子さんの認知特性(考え方のクセ)の一部を示しているだけです。
「流動性推理が低い=知的な能力全体が低い」という意味ではありません。むしろ、他の指標に高い力がある子もたくさんいます。
大切なのは、その子がどこに強みがあるのかを見つけて育てていくことです。

決して、努力不足や怠けではありません

新しい問題に取り組むときに戸惑ったり、方法を切り替えるのに時間がかかってしまうのは、性格や頑張りの問題ではありません。お子さん自身も「どうしたらいいか分からない」と困っていることが多いのです。
もしここで、「もっと頑張りなさい」「何度言ったら分かるの」などと責められてしまうと、不安や萎縮が強まり、さらに思考が固くなり「できなくなる」ことがあります。
まずは「この子は考え方の進め方に少し特徴があるだけなんだ」という理解から始めることが、とても大切です。

焦らず、長い目で見守ってあげてください

流動性推理の弱さは、一度の練習で劇的に改善するものではありません。数値そのものを上げようと焦る必要はありません。
それよりも、
  • できたことを一つずつ積み重ねる
  • 考えることに対して「安心できる気持ち」を育てる
  • 試行錯誤してみる経験を守る

これらが、長い目で見たときの「成長」に確かにつながっていきます。

適切なサポートは早めに

困りごとが強いまま気づかれずに過ごしてしまうと、無気力や自己否定につながり、不登校や不安の強まりといった二次的な困りごとが起きることがあります。
気になる様子が見られたら、学校や専門機関に相談しながら、その子に合う環境や支援を整えていけると安心です。

子ども自身の理解を助ける

成長してくると、お子さん自身が「なんで自分だけできないんだろう」と悩むことがあります。
そのときに「新しいことを考えるとき、ちょっと時間が必要なタイプなんだよ。でも、それは悪いことじゃないし、ゆっくりで大丈夫なんだよ。」と伝えることで、自己理解と安心が育ちます。
また「迷ったら深呼吸」「紙に書き出して整理する」などの対処のコツを一緒に身につけていくと、
将来「自分で困難を乗り越える力」へとつながっていきます。




まとめ


流動性推理が低いお子さんは、新しいことに向き合うときに、少し時間が必要なだけです。その子が持つ認知のスタイルであり、欠点でも劣っている証拠でもありません。

大切なのは、その子の特性を理解し、苦手な部分には少しサポートし得意な部分はしっかり伸ばしていくという寄り添いながら伴走する姿勢です。

焦らず、あたたかく見守りながらサポートしてあげてください。でも、一人で抱え込むことはありません。必要なときには専門家に相談しながらお子さんを支えてあげてくださいね。