発達障害の中学生の学習支援:親御さんができるサポート23選


「何回教えても間違う…」
「集中力が続かなくて…」
「授業についていくのは無理なのかな?」

こんなことでお悩みではありませんか?

発達障害のある中学生は、どうしても集団授業に困難を感じてしまい勉強についていけないことが多いです。
発達障害だから仕方ないのかな…」と思っても、これから受験もあるし、お子さんが社会に出て困らないよう、最低限の知識は身につけてもらいたいですよね。

そこで今日は、勉強についていけない中学生の特徴と具体的な行動チェックリストについて解説し、親御さんができる23のサポート方法を紹介していきます。
「どうしてこんなことするの?」ということの理由を正しく理解し、適切なサポート法を知ると今までの悩みをスッと解決できるので、ぜひ最後までお読みください。



発達障害の中学生の学習支援:特徴と行動チェックリスト

発達障害の中学生は勉強することに困難を抱えていることがあります。勉強が遅れていると感じる状況は、お子さんだけでなく、親御さんにとっても心配なものです。

これらを少しでも改善していくサポートをするには、まず、勉強が遅れていると感じる中学生の特徴を確認しましょう。
お子さんの特性による行動の特徴を知ると、支援やサポートもスムーズになります。

以下の3つを解説していきますのでお子さんの特徴をより具体的に把握してみましょう。

1,授業についていけない
2,勉強をスムーズに進められない
3,ミスをしてしまう


1,授業についていけない

中学生になると授業の内容が難しくなるので、授業についていけなくなる子は多いのですが、発達障害があると一定のことが苦手になります。
また人より理解がゆっくり進むので、集団授業についていくのは難しくなる場合があります。

発達障害のある中学生が授業についていけない場合、以下のような特徴があります。

①集中できない

発達障害の子は集中し続けることが苦手なので授業中にも注意力が散漫になってしまいます。また外部刺激に敏感なので、周囲の騒音やちょっとした物音に気を取られてしまいます。

②文章問題が理解できない

発達障害の中学生は、抽象的な概念や複雑な概念を理解するのは難しいです。そのため、数学や理科の応用問題を解くのが苦手になります。

③時間内に解答できない

情報の処理速度が他の生徒に比べて遅いため、授業のテンポに合わせることが難しい場合があります。
授業時間内では理解できなかったりテストの時間に解答しきれなかったりします。

④質問できない

集団授業では他の生徒とのコミュニケーションやグループ活動が求められますが、発達障害の子は社会的な対人関係の構築に困難を感じる場合が多いので、授業中に先生に質問できないだけでなく、友だちにちょっとした疑問を聞くことも難しくなります。


これらの要因が重なってしまうと、授業についていくのが難しくなり、そのため勉強に拒否反応を示すようになってしまいます。


2,勉強をスムーズに進められない

中学生になると学ぶ教科が増え科目ごとに宿題や課題があるため、計画的に勉強を進めないと時間が足りなくなります。ですが発達障害の中学生は計画を立てることが苦手なので混乱したまま勉強を進めてしまいます。

発達障害のある中学生が勉強をスムーズに進められない場合、以下のような特徴があります。


①優先順位がつけられない

発達障害のある中学生は、課題やタスクの優先順位を決めることが難しい場合があります。その結果、重要なタスクと後でやればよいタスクの区別がつかず、時間を有効に使うことができません。


②時間を見積れない

発達障害のある中学生は、作業にかかる時間を前もって考えることが苦手です。そのため、あと1時間しかないのに膨大な作業量に取り組もうとし、結果としてやり残してしまいます。


③長期的な計画が見通せない

中学生になると、長期的な目標や計画を立てることが求められます。ですが発達障害のある中学生は長期的な展望を理解しにくい傾向があります。
そのため、「テストまでにできるようにする」「夏休み中に宿題を終わらせる」など、学校のスケジュールに合わせて勉強を進めることができません。


このような要因が重なってしまうと膨大な量のやることが残ってしまい、どうしていいかわからなくなってしまいます。


3,ミスをしてしまう

①写し間違いや計算ミス

発達障害のある中学生は、数字や文章を正確に把握するのが難しい場合があります。間違えようのない簡単な計算を間違う、文章を読み違えて解答してしまうことがあります。


②誤字・脱字や言い方を間違う

文章の表現や文法に関して、誤字・脱字が多く、また言い間違いに気が付かないことがあります。文字や言葉の正確な理解や表現が難しいため、文章の構成や表現が不自然なことが多くなります。


③概念を混同し誤った推論を立てる

抽象的な概念や複雑な推論において、誤ったまま理解してしまい、まったく別の回答を導き出してしまいます。
例えば計算式を省略してしまう、記号で答えればいいのに文章で回答を書くなどです。

これらのことは本人も混乱しているので、自分が間違っていることにすら気づけない場合があります。


発達障害の中学生が勉強に遅れてしまい授業についていけなくなると、自己肯定感が低くなり自信を失う可能性があります。また周囲の同級生と比べて劣等感を感じ、ストレスと不安を抱えてしまいます。

そのようなことにならないよう、親御さんは気づいたことからお子さんを支援してあげましょう。ほんの小さなことでも親御さんに支援してもらえれば、お子さんは安心して勉強を続けることができます。



発達障害の中学生を特徴と行動から支援する方法

発達障害を持つ中学生を支援する場合、お子さんの特性や行動パターン、嗜好性に合わせてサポートする必要があります。発達障害にはさまざまなタイプがあり、またお子さん特性や個性によって苦手とすることや困難の感じ方は違ってくるからです。

ひとり一人に適切な支援やサポートをするなら、親御さんほどの適任者は存在しないと言っても過言ではないので、ぜひお子さんの勉強がスムーズに進むよう手伝ってあげてください。

この項目では、お子さんの学習の苦手に焦点を当て、発達障害の中学生の勉強を支援する方法を紹介していきます。


「集中できない」の解決策と支援法

①静かで落ち着いた環境を作る

授業中の外部刺激を極力抑えるため、教室の机の位置を落ちつく場所に変えてもらいましょう。机についたてなどを置くのも有効な場合があります。


②家で集中力を高めるトレーニングをする

家で集中力を持続するトレーニングをしましょう。短い時間から始めて徐々に時間を伸ばし、最終的には授業時間の50分は机に座っていられることを目指します。


「文章問題が理解できない」の解決策と支援法

③具体的な事例や図表を使って説明する

抽象的な概念や複雑な文章に苦手がある場合、具体的な事例や図表を使って問題を具体的に説明してあげましょう。発達障害の子は理解の仕方が違う場合があります。

④ステップごとに分解する

:問題を小さなステップに分解して説明してあげましょう。解答するのもステップごとに進めてあげると、正しい解答までたどり着けます。


「時間内に解答できない」の解決策と支援法

⑤解答法を書き出してみる

問題を解く前に、解答方法を箇条書きで書き出してみます。このような練習を積むと混乱せずに問題を解くことが可能になります。


⑥スピードアップの練習

毎日1問でよいので問題を制限時間内に解く練習をします。時間内に解ききるクセを身体に覚えさせることができます。


⑦解答の反省と振り返り

毎日、解答した後に解答過程を振り返り、時間内に解答するための工夫や改善点を見つけます。初めは親御さんが手伝ってあげて、いずれは自分で振り返りができるよう練習していきましょう。

「質問できない」の解決策と支援法

⑧質問の練習をしてみる

お子さんに質問の経験を積ませてあげましょう。質問の方法やタイミングは実際にやってみないと分かりません。まずは自宅で、お子さんが質問できる時間を作って練習してください。


⑨学校の先生と話してみる

学校の先生に事情を話し、一度でよいのでお子さんと3人で話してみましょう。するとお子さんの先生への隔たりが薄れるので質問しやすくなります。


⑩質問できる相手を見つける

学校の先生に限らず、塾の先生や家庭教師、親戚の大学生など、お子さんが「この人だったら気軽に質問できる」という相手を見つけておきましょう。
今はネット上でも気軽に質問できるので、お子さんの気の合う相手を探しましょう。


「優先順位がつけられない」の解決策と支援法

⑪やることの優先度を決めてしまう

勉強に取り書かかる前に、提出期限や重要度を考え、やることの順位を決めてしまいましょう。
混乱しがちであれば、週間スケジュールなどを作り机の前に貼って、目で確認できるようにしておきましょう。


⑫やることを分割しスモールステップで進む

例えば定期テストに向けての勉強など、学習が長期的になるものは、やるべきことを細かく分けてしまいましょう。段階を踏みながらスモールステップで進めるようにすると、「難しくてできない」悩みから解放されます。


「時間を見積れない」の解決策と支援法

⑬どれくらいの時間がかかるか計測しておく

やるべきこと一つずつ時間を設定し、タイマーを使って実際にかかる時間を計測してみましょう。予想時間と実際にかかった時間を比較することで、次回から時間が見積もれるようになります。


⑭時間の体感をつかむ練習をする

時間の感覚がわからない子には、時間の経過を体験させてあげましょう。漢字の書き取りを10分やってみる、数学の問題を3分で解くなど、制限時間を決めて取り組んでみる練習をします。
この練習を積んでいくと、3分や10分などの時間の長さを覚えることができます。


「長期的な計画が見通せない」の解決策と支援法

⑮やることを具体的に分割する

やるべきことを小さなステップに分割しましょう。例えば、大きな課題は週ごとに分ける、やるべきことを具体的な行動に分解しておくと取り組みやすくなります。このように学習を進めると小さな目標が達成できるので、モチベーションを維持しやすくなります。


⑯カレンダーやスケジュールを貼っておく

いつでも目で見て確認できるように、カレンダーやスケジュールを机の前に貼っておきましょう。目標や期限がハッキリ分かると、時間の管理や予定の把握がしやすくなります。


⑰リマインダーやアラーム機能で通知を受ける

時間管理や計画立てに役立つのがリマインダー機能です。例えば、スマートフォンのアプリやデジタルツールを使って、予定を通知してもらうしょう。もしうっかり忘れても知らせてもらえるので、計画を見落とすことも減りますし、お子さんも安心して勉強に取り組めます。


「写し間違いや計算ミス」の解決策と支援法

⑱見直しの練習をする

発達障害のある中学生には見直しの練習を積ませてあげましょう。計算や文章の解答を提出する前に、必ず問題を再度見直す習慣を身につけさせてあげることが大切です。手書きの場合は文字や数字の書き間違いに注意し、コンピュータやデジタルデバイスを使う場合でも入力ミスがないかチェックをすることが重要です。


⑲どんな時に間違うか知っておく

写し間違いや計算ミスを減らすためには、自分はどんな時に間違ってしまうか、自分のクセを発見し知っておくことが大切です。この漢字に弱い、このような計算式の時に間違ってしまうなどの規則性を見つけてあげましょう。あらかじめ知っていれば意識して注意することができます。


「誤字・脱字や言い方を間違う」の解決策と支援法

⑳文章を読み直す習慣をつける

文章を書いた後は必ず一度目を通し、誤字や脱字を見つけることを習慣化しましょう。もし単語を正しく理解していないなら、適切な使い方をした文章を読み、書いてみて語彙力を増やしていきます。


㉑間違いやすい言葉のチェックリストを作る

間違えやすいポイントや表現についてのチェックリストを作りましょう。それを見ながら文章を作成しミスを防いでいきます。
ですがテストのときにチェックリストを見る訳にはいかないので、見ないで作る、見ながら作るを繰り返していき、自分が間違いやすいポイントを覚えるようにしましょう。


「概念を混同し誤った推論を立てる」の解決策と支援法

㉒基礎からやり直す

抽象的な概念や複雑な推論は、基礎がしっかり入っていないと理解することができません。前の学年や小学校の頃からさかのぼり、基礎から理解していくようにしましょう。遠回りに見えても、学習を少しずつ確実に進めることができます。


㉓まとめノートを作る

理解が難しい概念を整理するために、まとめノートを作っていきましょう。自分で理解できたことを、自分でノートにまとめていくと後で復習する時も一目で思い出せるようになります。



これらの支援法を組み合わせることで、発達障害の中学生の勉強が少しでもスムーズに行くよう親御さんが手助けしてあげることが可能になります。
サポートはお子さんの特性や困りごとに合わせて、柔軟に解決策や支援法を工夫し自分なりのやり方を確立させてあげましょう。
より良い学習経験を積むことで、お子さんの自信や自己肯定感を育むこともできます。


でも…親が教えるのはもう限界!と言う方は

ここまでお読みになり、

「今までさんざん教えたけどダメだった」
「親が教えるとケンカになっちゃって…」
「そんな簡単に教えられないから困っているんじゃない!」

このように思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

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私たちは発達障害の特性にあわせ「自分でもできる!」「少しずつでもいいんだ!」 と、お子さん自身が一歩ずつ確実に、自信を持てるよう指導していくことが得意な家庭教師です。

勉強が遅れてしまった子にはいきなり「学校の授業」に焦点を当てるのではなく、お子さんの気持ちの寄り添った「段階を踏んだ指導」が大切です。

勉強以前のことにも少しずつ慣れてきたら、お子さんの状況(段階)に合わせて、勉強方法を変えています。

だからこそ、「誰が、どのように教えるのか」そして「お子さん一人の時の勉強のやり方」に徹底的にこだわって全力でサポートしています。

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